2010年11月6日土曜日

wilsonic works 8: Lost and Found


LOST IN TIMEのニュー・アルバム
来週11月10日に発売になります。

前作『明日が聞こえる』に続いて今回も僕が
共同プロデュース&ディレクションで関わっています。

前回はお互い初顔合わせということや、
ギターの三井くんが初参加ということもあり、
最初の段階では間合いを測りかねていた
部分もあったけど、
今回は最初から要らぬ遠慮もなく、
ガッツリとやらせてもらった。

なんか、前評判も相当良いみたいなので嬉しい。
今回は僕が関わったことが前作以上に
意味がある、と手応えを感じていただけに。


僕のプロデュースやらディレクションの手法は
アーティストによって全く違う。
メーカー・ディレクターを長くやっていたから
必然的にそうなった。

LOST IN TIMEとの作業は、今まで僕が
関わってきたアーティストの中では、
THE GROOVERSとのそれに近いかもしれない。
メンバーと一緒にスタジオに入っているとき、
「あれ、グルーヴァーズのときはどうだったっけ?」
なんて考えることが数回あった。

ソングライターやバンドがある程度のキャリアや
実力を持っていれば、客観的な視点からの
アドヴァイス=プロデュースだけで随分と面白い
ことになる、というやり方。
抽象的で申し訳ないけど。

僕はノン・ミュージシャン・プロデューサーなので、
関わる音楽の「音楽性」そのものに一貫性はないし、
サウンドを聴けば一発で竹内の音だ!と
わかるようなタイプの音作りはしていない。
いや、できない。

だから、ときどき「あれも竹内だったの?」
なんて云われることもある。

そして、竹内が「一体この作品で何をしているのか?」
がわかりにくいのも特徴(?)。
何もしてねーんじゃねーか、という説もある(笑)。


それはさておき。

LOST IN TIMEはインストア・ライヴ
発売記念24時間Ustreamやら、リリースに合わせて
いろんなことを企画中。
また、メンバーの3人はそれぞれブログやTwitter
やってますので、こちらのトップ・ページ
確認してみてください。

また、いち早く聴きたい、という方、
iTunes Storeで既に先行配信がスタートしてます。
まずは1曲目から試聴してほしい。



余談だけど、さっき名前の出たTHE GROOVERSと
LOST IN TIMEが先月、下北沢CLUB Queで2マン共演した。
LOSTのメンバーも相当に緊張&感激していたけど、
僕にとっても特別な夜だった。
この15年くらいが一つに繋がった感じ、自分の中で。

長くやってると、いいこともあるな、とか。









2010年11月2日火曜日

3-3-2-2-1-1


タイトルはなんの数字かといいますと、
10月27日にリリースしたスピッツのアルバム『とげまる』
のオリコン・デイリー・チャートの推移です。

店頭入荷日の26日に3位からスタートして、
2日毎に順位を上げて行った。

そしてウイークリーでは2位。

こういうの、なんか嬉しい。

圧倒的な初登場1位ってのも恰好いいけど、
粘り腰でジワジワ順位を上げるのも、相当いい。


この前、ツイッターにも書いたんだけど、
今の時代なかなか新譜がドカンと売れなくて、
チャートにはかなりの割合の旧譜が並んでいる。

この状況って、ここ20年くらいの日本のチャート史
としては珍しい現象なのかもしれないけど、
UKチャートなんてずっとそんな感じだし、
Billboardもカントリー系の台頭が顕著なように、
昨今ロングセラーが非常に多い。


みんなもう、表面的なことでは騙されない。
無意味に派手な宣伝、売れてる感のでっち上げ、
もう通じない。世界的に。

そして、願望を込めて云えば、
「内容が素晴らしいものは時間がかかっても
最終的には成功する可能性が出てきた」
のではないか、と。

だからこそ、これからの音楽、
より丁寧に、より誠実に作らねば届かないような気がする。


今のCD産業の規模は、ピーク時の半分程度だけど、
1978年あたりと同等らしい。

逆にいえば、80年代から90年代の20年間が異常な
成長だったのかもしれないな、と。
特に90年代は、別に音楽が好きでもない人に
CDを売りつけていただけなんじゃないかな、と。

クラスの中で、音楽が大好きで話が合う奴なんて、
せいぜい一人いるかいないかだった。
学年全体で3人とか。
きっと今もそんなもの。
そして、CDを買うという行為以外の音楽への
様々な接し方が今はあるわけで
(パッケージ主体の)チャートからは、音楽全体の
流行の実態が、より見えにくくなるんだな、と。


さてと、そろそろ何を書きたいのか
わからなくなったのでやめます。

あ、先月20日に発売された、月刊音楽雑誌
「ミュージック・マガジン」11月号スピッツ特集に、
僕のインタヴューが載っています。
ユニバーサルのA&R、海部くんと共に。
インタヴュワーは能地祐子さん。
いつもダメでアホな話(失礼!)をしている相手にマジメに質問される、
という不思議体験でした。