2009年11月30日月曜日

Bruce Woolley & The Camera Club


Twitterの効用に、しばらく連絡を取らなかった、
お会いしていなかった人との再会、というものがある。

先方が覚えていようがいまいが、自分にとって懐かしかったり、
「その節は~」と一方的に思っているだけでフォローしてしまう。

そんな中の一人、田中雄二さんをフォローしていたら、
Bruce Woolley & The Camera ClubがまたCD化されたとの
ニュース。2001年に日本で初CD化されたきり、以降入手が
難しいアイテムとなっていたらしい。
しかも、日本盤はボーナス・トラック1曲だったが今回は5曲!

ということで早速ゲットして先ほど聴いていたわけだが・・・。

ちょっと待て!
この「ラジオスターの悲劇」、ヴァージョン違いじゃないっすか!
あれれ、「クリン・クリン」もヴァージョン違いだあ!!!

さて、ここまで非常に不親切に文章を書いていたことに気づいたので
少し補足をば。

Bruce Woolley (& The Camera Club) は、70年代後半から80年代
前半にUKで活動していたバンド。アルバムは『English Garden』1枚のみ
を残して活動停止(US盤は『Bruce Woolley & The Camera Club』という
タイトルでリリースされた)。

バンド・メンバーに、のちにソロでヒットを飛ばしたりプロデューサーとして
も名を馳せたThomas Dolbyがいたことで知られるが、当時の売りは
何といってもシンガーでありソングライターでもあるBruce Woolleyが
当時日本でも大ヒットとなったThe Bugglesの「Video Killed The Radio Star」
の共作者(Trevor HornGeoff Downesと共に)である、という事実。
そしてブルースのアルバムにもセルフ・カヴァーが収録されていた。

バグルスよりも幾分ストイックに、エレクトロ度低め、ロックンロール風味
多めのこちらのヴァージョンのほうが好きだった当時高校生の竹内は、
New Musik『From A to B』と同じくらいこのアルバムを聴いていた。
なんて個人的なNW思い出話はおいといて。

・・・で、今回の再発CDだ。
どうやら再発CDには2種類あるらしく、1枚は英Cherry Redから出た、
今回僕が入手した18曲入り(ボートラ5曲入り)CD。
もう1枚はやはり英Lemon(ここもチェリーレッド傘下)から出た(出る?)
19曲入り(ボートラ6曲入り)。
でも、これも確認取れていないんで確実な話ではないです。あくまでも
「らしい」ということで。

Lemonのエディションはamazon.comでは12月発売予定となって
いて、一応pre-orderしておきましたが。
もしかしたらこちらのほうには日本盤LP、CDで馴染み深いヴァージョン
の「ラジオスター」と「クリンクリン」が入っているかもしれないなー、
いや、そんなわかりにくいことするかなー?
とか。

あと、このサイトによるとBruce Woolleyの「ラジオスター」には
3ヴァージョンが存在するらしい。それの一つが今回のCDに
入っているものなのかどうか?
あと、今回のCDジャケットは、80年当時のUS盤アナログを
踏襲したデザインとなっているのだが、もしかして当時のUS盤
にはこのヴァージョンの「ラジオスター」が入っていた、とか??
アナログは日本盤しか持っていなかったから調べようがない。

CDのライナー、結構長い文章が入っていて、Bruce自身による
曲解説(思い出?)なんかもあるみたいなので、後でじっくり
読んでみます。何かヒントがあるのかも。
とりあえずiPodに入れて聴いていてびっくりしたんで、思わず
スタバで更新している俺。なので今、手もとにブックレットが
無いんです。

何やってんだかなー。
そんなことしながらもう今年もあと1ヶ月となるのであった。

Is This It?


先週末で劇場公開が終了し、週が明けてパッケージのリリースが
発表された映画『This Is It』、結局僕は2回観ることができました。

レコードも本もそうですが、複数回体験することで初回とは違う
感想がもたげたり、気付かなかった点に目が行ったりするものです。

この映画は、エンタテインメント業界に属する人間にとっては
いろんなことを考えさせられる内容を含んでいましたが、特に
僕が途中で気づいて「えーーーーーーーーーっ???」と
思ったことを一つだけ記しておこうと。

この映画というかコンサートリハーサルには、一切「譜面」が
出てこないんです。
ミュージシャンのリハ風景にも、コーラスの人の眼の前にも、
もちろんマイケルの近くにも。
イコール、音楽的な指示は、譜面上で交わされないってこと。
アンド、ミュージシャンもそれを譜面に起こしたり書き込んだり
しない、ということ。
全ては頭に、体に叩き込め、ということ。

それが素晴らしい、と単純に思うわけではないけど、
「完璧主義者」としてのマイケルを支える基本に、少年時代
体で覚えた経験があるのでは、とかまあ、
いろんなことを考えてしまいました。

映画を観た方も、観なかった方も、来年リリースされるDVD
もしくはブルーレイで確認してみてください。

もしかしたら特典映像では譜面が出てきたりしてね。
そうだったらごめんなさい、ですけど。

ちなみに僕は数種類あるパッケージの中では、これ
購入する予定です。




2009年11月28日土曜日

Twitter


遅ればせながらツイッター始めました。


津田大介氏の『Twitter社会論』を読み、そのリアルタイム検索
に関して非常に興味を持ったのがきっかけです。
取り急ぎ、知り合いを見かけてはフォローしている日々です。

さっき、初めてRetweetっていうことをして、まだドキドキしている、
そんな40代半ばのツイッター初心者です。

2009年11月19日木曜日

wilsonic works 2


またもや間抜けなタイミングにご報告ではありますが、
wilsonic竹内のお仕事第2弾が11月4日にリリースされました。

スピッツの実に6年ぶりとなるライヴDVD、
です。

その名の通り、今年1月に行ったさいたまスーパーアリーナでの
ライヴを収録したものです。2日目、1月18日のアンコールを除く
全23曲をフル収録しています。

加えて、初回限定盤にはそのアリーナ・ライヴの前に
行っていたホール・ツアーから、横浜と郡山の模様を収録した
ボーナスDVD(10曲+ゆるーいMCたっぷり!)、
そしてさいたまスーパーアリーナライヴをCDで
楽しんでもらうためのライヴCD2枚、
アーンド28P写真集というてんこ盛りフル・ヴォリュームです。

おかげさまで久々の映像作品ということもあり、売上好調です。
初回盤はそろそろ品薄になってきているみたいなので、
購入予定の方は少し急いだほうがいいかも。

思えば、今年の夏から秋にかけて、
ずーっとこのDVDのための作業を続けていたような気がする。
音源のトラックダウン、映像の編集、
仕様や価格設定、パッケージ・デザインの進行、など。
何せこのヴォリュームですからね。ちょっと1回チェックする
だけで、全部で3時間くらいかかっちゃうわけで。

予期せぬアクシデントにも何度か見舞われて、
一瞬発売延期もやむを得ないか?
なんてこともありましたが、スタッフの努力で
なんとか間に合いました。

映像監督の番場秀一も、素晴らしいお仕事をしてくれました。
思えば彼とはBLANKEY JET CITYのMVで初めて出会って以来、
もう10年くらいの付き合いだけど、
ずっと期待以上のものを提示し続けてきている。

すごいことだなあ、と思います。

そうありたいものです。


2009年11月17日火曜日

They Were The Grays!


14日の封切り日に話題の映画『脳内ニューヨーク』を観た。
そして昨日16日、Jason Falknerの来日公演を観に行った。

『脳内ニューヨーク』の音楽は、Jon Brion

ジョン・ブライオンとジェイソン・フォークナー。
おいおい、The Graysじゃないか!

なんて昨日ふと気付いた。
そんなこと考えている人間が少なくとも50人くらいは
いるんじゃないか、この東京に、なんて。

The Graysの素晴らしすぎる唯一のアルバム
『Ro Sham Bo』がリリースされたのが1994年、もう
今から15年も前のことだ。

Paisley Undergroundの名バンドの若きギタリストとして
バンドに加入。「第三の男」であったJasonは、1stアルバム
リリース後に脱退し、自分がメインとなるバンドを結成すべく
The Graysを立ち上げた。
蓋をあけてみると、メンバーのJon BrionとBuddy Judge
がJasonと均等に曲を書くという結果になっていたが、
その内容は非常に素晴らしく、現在入手不可能なのが
もどかしいし、当時も全く顧みられなかったのが悔しい。

Jasonはその後1996年の『Presents Author Unknown』
皮切りにソロ・キャリアを積み重ね現在に至り、
Jon Brionは基本裏方に回り、プロデューサー、
映画音楽作家として頭角を現すようになる。

そんな二人が2009年の11月、東京でニアミス。
いや、ジョンは別に来日したわけじゃないけど。
飽くまでも僕の中でのニアミス。
だって、『脳内~』は2008年の作品で、ようやく日本で
公開された、ってだけのことだから。

長く音楽を聴いていると、いろんなことがあるなあ、と。
それぞれの映画、ライヴの内容に関して全く触れていませんが、
悪いわけがないでしょう、ということで。


2009年11月8日日曜日

Recent Awesome Books


たまには書籍のことも。

仕事柄、音楽関連の本は雑誌も含め、たくさん読んでいるので、
大抵のことには感動や感心はしないんですが、
そんな僕が深く感じ入った最近のいくつかの本です。

著者:西寺郷太

マイケルの突然の死以降、様々な企画でいろんな本が出て
いるけど、「愛情」「知識」「想像力」がこんなにも美しい結晶を
作り出しているのはこの本が随一だと思います。
音楽家どうしならではのシンパシーと忖度の具合などは、
他の本では成し得ない部分だと思いますし、それをしても
大丈夫なだけの蓄積が著者の中にあるのは、文章を読めば
充分伝わってくる。
読了の瞬間、はからずも落涙してしまったことを告白します。

あ、映画「THIS IS IT」は今週観に行く予定です。


著者:阿久 悠

1972年に出版された本の復刻ですが、今でも充分通じる
どころか、今こそ読まれるべき本かもしれない。
タイトル通りの内容ではあるが、別に作詞家を目指して作詞家
になったわけではない、という阿久氏のスタンスからくる、
非常に「実践的」な視点が面白い。
普段自作自演のアーティストとばかり仕事しているので、
この本当の意味での「職業作詞家」の、しかも勢いに乗っている
時期の文章は、たまらない刺激となった。


著者:Jim Cogan and William Clark(訳:奥田祐士)

全米に点在する(した)全15の伝説的レコーディング・スタジオ
に関して、丁寧に丁寧に取材を重ねて、どうしてこのスタジオ
から、あんな名盤が生まれたのか、という検証をしていく
ノンフィクション。
ここでやっておかなければ、多くのパイオニアたちが次々と鬼籍に
入ってしまうわけで、その意味でもこの時点でまとめておいた
業績は賞賛に値する。
豊富なインタヴューと貴重な写真、正確な情報と
著者の音楽への造詣の深さ、訳文の的確さ、
長尺ながら一気に読めた素晴らしい本だと思います。
個人的には、スタックスの項がいちばんグッときたかも。
実際にそこで録音された音楽を聴きながら読むと、
楽しさが倍増するよ!


取り急ぎこんな感じです。
ビートルズ関連の本もここが商機とばかりにたくさん出版
されましたが、改訂復刻された『ザ・ビートルズ レコーディング
セッションズ 完全版』は必携でしょう。


2009年11月4日水曜日

Lamar Holley's Great New Album!


2007年にリリースされたファースト・アルバムのことは、
かつてここで書いた。
フツーにThe Beach BoysJellyfish好きならニヤリとする
音楽を、マジメに丁寧に作っている印象で好感が持てた。
38曲入り(カラオケを入れると全76トラック)という、ちょっと
ノヴェルティの香りもあり、非常に印象に残っていたアーティストです。

そんな男、Lamar Holleyがこの夏、セカンド・アルバムをリリース
していたのです。例によって、僕は1ヶ月以上前に買っていたのに
全然聴けておらず、つい先日聴いて、その内容の異常なほどの
充実振りにぶったまげてしまった、というわけなのです。

待望の2ndアルバム『Confessions Of A College Student』は
全12トラック(隠しトラック含む)と、今回はフツーのヴォリューム。
ジャケットには、「ラマー・ホリーによる、自叙伝的ワンマン・
ポップ・ミュージカル」というコピーが踊っていて、多分歌詞は
そんな内容なのでしょう。

コンセプトはともかく、今回は各曲のメロディの煮詰め方、
アレンジの的確さが半端じゃない!
ラマー君、ものすごい成長ぶりです。

中でも、2曲目「Biology」(前作に引き続き、やっぱこういうタイトル
なんだよね)でのバス・ハーモニカの効果的な使用法とか、近年の
ポップスではつとに聴いたことのないアレンジで感心しました。
3曲目「Forgotten Friends」のノスタルジックなシャッフル・リズム、
木管とストリングスとピアノが交替に現れては消えて、そこに
絡むマジカルなヴォイシングのハーモニー。いやー至福。

ってな調子で興奮して全曲解説してしまいそうなくらいの大傑作です。
Paul Steelとか好きな人は、まず間違いなく気に入るはず。

僕は、何よりも彼の甘酸っぱい声が大好きなんだな、きっと。
それとこれは非常に重要なことなんだけど、彼の音楽はまあ
一般的にはマニアックと呼ばれる類のものかもしれないんだけど、
それをこれ見よがしにやるんじゃなくて、とっても自然に聴かせて
くれている点。これ、得点高いし、これこそがアメリカの底力だと思う。
マニアックな人にありがちのエキセントリックさが全然感じられないもの。
オフィシャルMyspaceでチェックできますので、ぜひ。

ただ、日本では彼のパッケージCDを扱っているお店は
残念ながらないみたい。amazonではファーストが品切れ中
ノンパッケージなら全世界のiTunesで1stも2ndも手に入ります。
安いし、手っ取り早いのはこっちかなー。
どうしてもパッケージで、っていう人は、CD Baby
オフィシャルで買うしかありませんね。
オフィシャルだとサイン入りのチョイスも出来るみたい。
別にいらねーか。

2009年11月1日日曜日

Joe Pernice's Latest Album


買ってから2ヶ月以上も放っておいたことに気付き、あわててさっき
聴いたのがPernice Brothersのメイン・ソングライターでもある
Joe Perniceのニュー・アルバム『It Feels So Good When I Stop』
ソロ名義としては『Big Tobacco』以来9年ぶりとなる。

このアルバム、ジョー・パーニスの処女作となる同タイトルの小説
サウンドトラック、という情報だけ仕入れて購入しており、どんな内容
か知らずに聴き始めたら、カヴァー・アルバムだった。
それも、PlushとかSebadohとかのインディものから、「チムチム・チェリー」
なんてのや、70年代のワンヒット・ワンダーものとか、雑多なの。
えーと誰のどんな曲をカヴァーしているかは、こことかチェックしてみてください。
オリジナルを知らない曲もいくつかありましたが、かなり楽しめます。
中でも結構いい出来というか、彼にぴったり合うなあと思ったのが、
Del ShannonもしくはPeter & Gordonの「I Go To Pieces」と、
The Dream Syndicateの「Tell Me When It's Over」あたりの
「12弦ギターっぽい曲」たちかなぁ。

そしてアルバムの最後に入っているTodd Rundgren
「Hello It's Me」は、鳥肌モノです。
このアルバム、3箇所に本人によるナレーションが入っているんですが、
「Hello It's Me」の前にもそれがあり、そのナレーションが更に
曲を盛り上げる役目をしているんだなー。
しかもアレンジは生ギター1本とカバサ & タンバリンだけ。
これはやばいわ。

小説のサントラっていうのも珍しいとは思う(しかも作家本人が演奏する
なんて、相当珍しい)けど、こんなサントラが出来上がるってことは、
その小説は相当面白いと思うんだな。自叙伝っぽいのかもなー。
買っとくか、英語読めないけど(爆)。