2009年9月26日土曜日

Album by Girls


久々にPitchforkのアルバム・リヴューで9点超えが出た、
と思ったらGirls『Album』だった。

これはタイムリー。
一昨日amazonから届いて、昨日ジャケットの話を知り合いのバンド
として、今日アルバムの全曲を聴いたばかりです。

うーん。
アートワーク9.5点、音楽7点。

マジでアートワーク最高だわ。
ジャケ写見ただけじゃだめ。
パッケージ手に入れてブックレット見よう。
ブックレット最高です。

そしてバンド名とアルバム・タイトルのあまりの一般名詞っぷり。
検索エンジン泣かせなのがマジ最高です。

アートワークがいいと、それなりの音楽は
より素晴らしいもののように響く。
素晴らしい音楽は、さらに崇高に映る。

昨日マスタリングが終わったばかりのとあるアルバム、
これからアートワーク作業に入るわけですが、
内容が素晴らしいだけにそれを後押しするジャケット、
これまた相当頭を遣わなきゃならんのです。

「制作」という仕事はどこまでも続くのです。
音を作っておしまい、ではないことがまた醍醐味でして。
これがまた、「やめられない」仕事なんですねー。


騒がせていますが、最近リリースされたCass Elliotの
ソロ・アルバム2枚を収めた2 on 1を昨夜聴いていました。
1st『Cass Elliot』は名盤だわ。
何度でも聴ける。
カヴァーってぇのはこうだよな、と。
Bobby Darin作で、Tony Orlandoでも有名な「I'll Be There」
(マイケルとは関係ないよ)とか、立て続けに5回くらい
聴いちゃった。

で、今日はなぜかさっきからBlondie聴きまくり。
世代的にはぴったり合っているはずなのに、当時1枚もアルバムを
買っていなかったアーティストその①、それがBlondieです。
ヒット曲は知っているし、知人の家に行けば聴けた
「ヒット・アルバム」だったBlondie。
今45歳の耳で聴くと、また新鮮なのでした。

2009年9月23日水曜日

A Tragedy of Japanese Edition


このブログを立ち上げて最初に書いたネタの、その後。

僕はこのエントリの最後に、暢気に

あ、9月には日本盤も出るみたいですねー。ボーナス・トラックとかあるのかな???

とか書いている。

書かなきゃよかった。

あったんです、ボーナス・トラック。
しかも5曲も。

通常のアルバムなら無視しているかもしれない。
シングルのカップリング曲、ライヴ・テイク、アコースティック・ヴァージョンやら
リミックスやら、基本的に興味ないから。
でも、このカヴァー・シリーズのボーナス・トラックは…。

コステロっつーかBrinsley Schwartzの「(What's So Funny 'bout)
Peace, Love And Understanding」、Queenの「Killer Queen」、
Ramonesの「I Wanna Be Sedated」、Blondieの「Dreamin'」、
James Taylorの「You Can Close Your Eyes」ですよ。

こりゃ仕方ない。買いました。
本編と比べるとアレンジや録音の詰めが甘い部分も結構ありました。
でも、それなりに楽しませていただきました。

日本盤を充実させようとする日本のメーカー編成マンの努力は
買いますが、ここまでタイムラグがあると(輸入盤が出回ってから
約2ヶ月)、正直「迷惑」だなー。

しかし欲しいものは買うしかないのだ。性なのだ。

そうそう、先日採りあげたPrefab SproutのNew Albumですが、
安いからと以前予約していたUKのサイトからも同じものが
届きました(泣)。
それとは別のサイトでも予約していたのは事前に気づいて
キャンセルしていたんだが、まだ他にも予約していたとは…。

相変わらずやらかしてます(反省)。


2009年9月16日水曜日

Prefab Sprout's New Album


Sondre Lercheの新譜はもちろんいいんだけど、
それよりPrefab Sproutの新譜(?)がすごいや。

だってさ、タイトルが『Let's Change The World With Music』
ですからね。降参です。

実はこのアルバムは純然たる新譜ではないらしく、
1992年にリリース予定で進められていたアルバム用の
曲たちを基に仕上げられたらしい。
本チャンのレコーディングは盟友Thomas Dolby
行う予定だったらしいけど、いろんな理由で1993年に
それは中断された。

結果、すべてPaddy McAloon一人で曲を作り、アレンジし、
演奏した打ち込み中心の作品となったわけだが、
それが余計に彼の「曲」を浮き彫りにする。

このアルバムの経緯を、The Beach Boysの『SMiLE』になぞらえた
ライナーノーツを、パディ自身がアルバムのブックレット内に
2Pに亘って書いている。
「17年経って、ここで進めていた曲が、僕のこれまでの
曲の中でも結構お気に入りの曲があるって、気付いたんだ
(残念ながら『Good Vibrations』はないけどね)」なんて。

でもね、5曲目の「Music Is The Princess」、
8曲目の「Falling In Love」を筆頭に、否応なく胸を鷲摑みに
するメロディがここには散りばめられている。
プリファブ・スプラウトを好きで良かったなー。

まるで隠遁者のような髭だらけの風貌の最近のPaddyだけど、
新しいプロジェクトも進めているみたいです。
僕はひたすら、次の作品を待ち続けることにします。

2009年9月13日日曜日

Norwegian Goods


素晴らしいなあ、というお話。

ノルウェイのシンガー・ソングライター、ボルゲ・シルネースによる
ユニット、それがディラン・モンドグリーン。
2007年にリリースされた1st『While I Walk You Home』は、
知る人ぞ知る名盤として認知されていた(みたい)。
僕はApple Crumble Recordsで1年ちょっと前に購入し、そのメロディの
豊潤さに感激したものだが、それっきり目新しいニュースを
他で聞くでもなし、彼のことを忘れていた。

しかし、今年8月、彼のニュー・アルバムのニュースが流れ、
しかも日本盤としてリリースされ、しかも同時に1stも再発
(初日本盤化)される、とのこと!
日本の発売元はFastcut Records。その独自のコネクション
と選球眼で、いつも唸らされているショップ&レーベルです。

で、2ndです。
1曲目の「(Come With Me To) Albuquerque」を聴けば
彼の音楽の素晴らしさは一聴瞭然。
人懐こいメロディにジェントルな歌声、曲に対して
適材適所に配される弦や鍵盤や管の、さりげなくも
効果的なあり方。
全然先鋭的ではないかもしれないけど、先日の
The Leisure Society同様、長く永く聴き続けることが
できるアーティストなんだろうなー、と思います。

さてさて、ノルウェイといえばSondre Lercheです。
さっきAmazonから新譜『Heartbeat Radio』
届きました。
ものすごく楽しみです。

あ、Kings Of Convenienceも新譜出たんだっけ。
にわかにノルウェイ周り、騒がしくなってきましたねー。





2009年9月11日金曜日

The Leisure Society


レコード・ショップは空前のビートルズ祭です。
僕は輸入盤のセットをステレオとモノ、それぞれ1個ずつ購入。
少しずつ聴き始めています。

オリコンのデイリー・チャートではステレオ・ボックスが3位、
モノ・ボックスが6位、単体モノでは『Abbey Road』を筆頭に
上位にランクインしています。
NMEのこのニュースにもあるように、本国イギリスでも
チャートをにぎわすこと確実です。

最近のレコード店頭は、いろんな追悼ばかりでちょっと
気が滅入っていたんですが、こういう「祭」はいいな。
どんなことであれ、ふだんCDを購入しないような層が
レコード屋に足を運び、購入する機会があるってのは
いいことだと思います。

さて、ビートルズ祭はいろんなメディアに波及しておりますが、
UKの音楽雑誌「MOJO」の最新号も表紙はFab4です。
で、これに付録で付いているCD、タイトルが『Abbey Road Now』
でして、同アルバムの全曲を、今現役バリバリのアーティストが
カヴァーする、という好企画。

Robyn Hitchcockのなりきりジョン・レノンな「I Want You」
とか、ヘロヘロな「Maxwell's Silver Hammer」を演奏する
Let's Wrestleとかいろいろ聴きどころ満載なんですが、
いちばん良かったのがThe Leisure Societyの「Something」。
Charlie Doreがカヴァーする「Here Comes The Sun」も含め、
ジョージの曲はカヴァー映えがするというか、汎用性があるというか、
そういう側面があるのかもね。ジョンやポールの強力な個性に対してね。

で、The Leisure Societyの「Something」は、なんとウクレレ中心の
アレンジからスタートして徐々に盛り上げていく(しかもリズムは
アップテンポのシャッフル~遅い8ビート~ボレロ)というアプローチ。
この1曲だけでも今月の「MOJO」、買いでしょ。

彼らに関しては、以前このブログで採りあげたように、非常に
クオリティの高い音楽性を持っていながら日本ではまだ無名。
彼らのブログによれば、名作1stアルバムが10月5日に
ボーナスEP付きで再発されるそうですから、彼らを
ご存じない方は、この機会にチェックしてみてはいかがでしょう?

何度も書くけど、30年40年経っても色あせない音楽を
奏でている人達だと思うので。



2009年9月8日火曜日

wilsonic works 1


相変わらず歯は痛いのですが、それにすら慣れてしまった。
でも、ちょっと腫れているようでもあるので、やっぱ治療しなきゃな。

ところで、自分の仕事周りのお話を一切していなかったことに
気づきましたので、ちょっと今日は告知します。

まず、wilsonicの竹内がディレクターとしての初仕事
(というか初クレジットです)が、先月8月26日にリリースされた、
スピッツの35枚目のシングル、
「君は太陽」です(リリースしてから2週間も経っていますよ)。

この曲は、フジテレビ開局50周年記念作品である映画、
「ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡」の主題歌でもあります。

この映画、Production I.GによるフルCGアニメーションで
ありまして、僕も観ましたけどとっても丁寧に作られている
良い映画です(って、公開から2週間以上過ぎていますよ)。
ヨイショじゃなく、結構オススメです。

で、スピッツは6年ぶりのライヴDVDを11月4日にリリースする
んですが、現在はその編集やらジャケット制作やらの佳境
ですね。久々なだけに気合入れて作っています。

えーと、スピッツの仕事以外にもいろいろやっているんですが、
まだリリースとか発表できないものばっかりなんで、それはまた
日を改めて。

あと、よくわかりませんが、こんなイヴェントに出演することに
なりました。シンガー・ソングライターである、はやしいと
イヴェントです。
スケジュールだけ押えられて、何をするか何も教えてもらって
いません。

ダメな40代が繰り広げる白昼の悪夢?
どうなることやら…。


2009年9月3日木曜日

Toothache & Music


ここ2週間ほど奥歯に痛みがあって。
でもかかりつけの歯医者は「しばらく様子見ましょう」
と、薬もくれない。

歯が痛いと、四六時中その痛みの辺りのことが気になり、
話や作業をしていても集中力が続かない。

僕は基本的にCDとかその音楽を初めて聴くときは、
途中で止めたり飛ばしたりしない。
1曲目から最後まで通して聴く。
どんなに嫌いな音楽でも、無理して最後まで聴く。

人生は短いというのに、なんでそんなある意味「無駄」
なことをするのかというと、前向きな意味では、
もしかしたら最後の曲で素晴らしいものに出逢えるかも
しれない、という淡い淡い期待。

あとは、その音楽を作るのに携わった人たちが、多分
一生懸命多くの人に聴いてもらおうと思って頑張った
のだろうから、僕も頑張って聴きます、という同業者
への「義務」。

なんか、そうしないと僕が携わったものもちゃんと聴いて
もらえないかもしれない、なんて思っちゃうんですよ。

ところが。

昨日新宿の街を歩きながらヘッドフォンでとあるアルバムを
聴いていたところ、4曲目で「もう無理」と、ヘッドフォンを
外した。とにかく不快で耐えられなかったのだ。
きっと、歯が痛いことも関係していたんだと思うけど、
こんなこと5年ぶりくらい。

しかもそのアルバム、新譜のくせに3枚組の大作で、
この先まだまだ長い、という事実も歯痛の僕をめげさせた要因。

それがなんていうアーティストのなんていうアルバムかは
特に書く必要もないと思いますが、悔しいので昨日の夜と
今朝、続きを少しずつ聴いて、一応最後まで聴きました。

結果、やっぱり僕にとっては今現在特に必要な音楽では
ありませんでしたし、最後に素晴らしい曲もいませんでした。

そして今日も歯は疼く。
なんだかなー。