2017年7月23日日曜日

wilsonic works 73


今年に入って、2月に1回ブログを書いただけで、ずっと放置していた。
反省して、これからはもう少しコンスタントにブログを更新しようと思った。

あと、前にも書いたことだけど改めて。
ここ数年、自分の仕事報告だけに終始しているが、本来は
自分自身の備忘録として気に入った音楽や書籍や映画や人物などの
ことを書いていたので、そういう形に少し軌道修正もしたい。

とはいえ。
2017年も折り返したところで、2月のウルトラタワーのアルバム以降、
世に出た自分に関係のある音源などに関してまとめます。
で、まずはこれ。


Official髭男dism『レポート』(4月19日発売)

このアルバムに収録されている7曲のうち、僕が関わっているのは2曲。
「異端なスター」と「イコール」という曲だ。
この2曲は2016年にレコーディングされ、発表の機会を待っていたものだ。
「異端なスター」はライヴで披露される中、レコーディングしたものから
一部歌詞が変更となった。
発表するなら歌を録り直さねばならない。
ということで、アルバムの他の曲でタッグを組んでいるエンジニアの
井上うにさんと録り直し、ミックスもやり直すことになった。

なので、「異端なスター」は半分だけディレクター、
「イコール」は100%ディレクター、ということになる。

しかしOfficial髭男dism、曲も演奏もどんどん進化しているなー。
最新デジタル・シングル「Tell Me Baby / ブラザーズ」が7月21日に
リリースされたばかり→SpotifyApple MusicLINE MUSIC

音楽をいっぱい聴いて、バンド内外のミュージシャンから刺激を受け、
自分たちの音楽に還元していく。
何よりも、放たれる音から、音楽をする歓びが溢れているのがいい。
すげーことやっているのに、小難しく聴こえず、あくまでもポップ。
彼らには “バンドによるエンタテインメント” を極めてほしいと、心から思う。




2017年2月10日金曜日

wilsonic works 72


 今週2月8日、ウルトラタワーの新しいミニ・アルバム『灯火』が発売となった。
メジャー・デビュー以来、ずっと一緒にレコーディングしている彼ら、
今回も全面的にプロデュースに関わらせてもらった。

『灯火』、ウルトラタワーの最高傑作なんじゃないかと思う。
曲作りにじっくりと時間をかけることが出来、曲によっては
ライヴで曲を育てることも出来たことが功を奏している。
また、これまで作詞はギターの寺内、作曲はヴォーカル&ギターの大濱という
分業制を貫いてきた彼らだが、今回は1曲だけだが大濱が作詞している。
こういう新たな試みも、バンド内に刺激を与えているのだろう。

エンジニアはこれまたメジャー・デビューからずっとお世話になっている
mixmix佐藤雅彦、ドラムテックは前作に引き続き藤井寿光
気心知れたスタッフとの作業はスムーズ且つクリエイティヴ。
マンネリにならず、常に新しい視点や考え方を示してくれる
スタッフは、バンドにとって本当に心強いもの。
いろんな人と関わってみるのもいいけど、信頼出来るスタッフと
長く仕事を続けられるのもまた幸せなことだと思います最近特に。

昨年先行DLシングルとしてリリースされた『ファンファーレが聴こえる』
のMVはこちら。
3月にはリリース・ツアーもあります。
これは見逃さないほうがいいと思いますよ。

今回僕はアートワーク周りには関わっていないんだけど、アーティスト写真は
前回に引き続き中野敬久。中野さんはスピッツ『醒めない』タイミングの
写真もやってもらっている。
今の日本のフォトグラファーでいちばん信頼しているかもしれない。
いつも最高。


p.s.
今年に入って最初のブログ更新で、前回から3ヶ月以上開いてしまった。
なんかブログの書き方忘れちゃった。
最近はツイッターもRTしかしないしなー。
でも、書きたいことはいっぱいある。

今年の目標。
仕事と関係ない音楽や映画、書籍や日々考えていることなどを、
出来るだけブログに書く。
このブログ、始めた当初はそういう感じだったのに、ここ3年くらい、
自分の仕事のことしか書かない状態になっているからね。
ということで、今年はいろいろ書こうと思います。
ときどきチェックしてみてください。

2016年10月20日木曜日

wilsonic works 71


モノブライトのキャリア初となるセルフ・カヴァー・アルバム『VerSus』
10月12日にリリースされた。
今年4月のアルバム『Bright Ground Music』に続き、ディレクター及び
共同プロデュースで関わった。

デビューから10年という節目に、彼らがこれまで発表してきた楽曲が、
ライヴを経てどんな進化をしてきたか、を記録することを基本に
スタートしたこの企画。
僕は、カヴァーされた楽曲のオリジナル・レコーディングに立ち会っていない、
という自分の立場、立ち位置を逆手に取り、新鮮な耳で楽曲を聴き、
新しいアレンジの提言などさせてもらった。

オリジナルの枠組みを壊すことなく、そこに最新型のモノブライトを注入した、
現在の彼らの勢いとスキルが反映されたアルバムになっている。
収録曲「DANCING BABE」のMVはこちら

レコーディング・メンバーはドラムスにケンスケアオキ(SISTER JET)、
キーボードに村上奈津子(WONDERVER)という、最近のライヴでも
お馴染みの2人と、モノブライトの3人。

この5人によるレコ発ツアーが本日20日からスタートする。
題して “Bright VerSus Tour” 。
その名の通り、全国5箇所を対バン形式で回るという趣向。
詳細はこちらを参照のほど。

実は音楽制作に携わって今年で27年目にもなるが、こういった
セルフ・カヴァー・アルバムに関わったのは今回が初めて。

平沢進さんやスピッツで、単曲のリ・レコーディングなどはあったけど。

ここ最近日本ではちょっとセルフ・カヴァーが流行しているのかな。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのこれとか、175Rのこれとか。

アーティストによってセルフ・カヴァーに向かう動機や理由は様々だろう。
リリースから年月を経て、初出のときとは違うアプローチがしたい、とか、
技術やテクノロジーが進化した故に今ならこんなことが出来る、とか、
単純にオリジナル・ヴァージョンに不満があった、とか。

そして、受け取るファンも反応はそれぞれだと思う。
オリジナルがいちばん好き!という人もいれば、
新しく生まれ変わった音にワクワクさせられることもある。

以下、ちょっと個人的なことも含めて。

この種のいわゆるセルフ・カヴァーもので、僕の人生の中で
いちばん多く聴いたアルバムは、恐らく大滝詠一『DEBUT』(1978年)。
僕は、ここに収録された曲のいくつかに、オリジナル以上の輝きを見出した。

ちなみに。
便宜上このブログでもその言葉を使っているけど、
“セルフ・カヴァー” という用語は、日本でのみ通じる和製英語というか和製ターム。
しかも、本来はソングライターとして他人に提供した曲を作家本人がレコーディング
することを “セルフ・カヴァー” と呼んだのが始まりではなかったか。

今年リリースされて大きな話題となった大滝詠一の『DEBUT AGAIN』は、
その、本来日本で「セルフ・カヴァー」と呼ばれたものを集めた作品集。
ラッツ&スターや松田聖子、小泉今日子らに提供した楽曲の、
大滝本人による歌唱を収録している。

いろいろ胸に去来するものがあって、このアルバムは3月のリリース以来、
まだ1回しか聴いていない。

2016年10月8日土曜日

wilsonic works 70



前エントリからの続き。

今週は、10月5日に初の全国流通盤『omoide fight club』をリリースした、
ベランパレードとの経緯を。

プププランドを初めて観たのと同じ2014年のこと。
10月10日に新宿JAMのイヴェントを観に行くと、
宮崎から来たというこのバンドが出ていて、
やる曲やる曲みんなキャッチーなんで、ちょっとびっくりしながらライヴを観ていた。

1コーラス聴いたら、2番からは一緒にシンガロング出来る、
それくらい強烈に印象深いメロディと言葉。
そして自分たちの音楽を100%伝えようとする熱いパフォーマンス。

終演後手売りのCD-Rを購入した。
音源で改めて聴いても、曲の強さに恐れ入る。

地元が宮崎なので東京でのライヴは少なく、
その後観る機会がなかなか無かった。

年が明けて2015年の上旬、ライヴハウスでよく顔を合わせる
LUCKYHELLのスタッフと雑談していて、最近気になるバンドの
ことを話していたら、彼の口からベランパレードの名前が!
「去年観てすげーいいと思っていたんですよ!」と伝えると、
彼もびっくり。

その後、バンドが東京にライヴに来た際に挨拶したり、
少しずつ距離が縮まり、そうこうするうちにLUCKYHELLが
ベランパレードのアルバムをリリースすることになった。
件のスタッフから僕にお声がかかり、レコーディングを
お手伝いすることになった、という流れだ。

ベランパレードのアルバムでは、事前に準備する時間が結構あったのと、
トータルにプロデュースというオファーだったので、曲選び、
アレンジのチェックなど、初期段階からコミットした。

多くの曲はこれまでライヴで何回も演奏されていたものだが、
レコーディングするに当たり、改めてアレンジや言葉の載せ方などを
確認したり、あいまいだったところをクリアにしたり。

彼らにとって初めてのちゃんとしたレコーディング、しかも東京。
そしてなんかよくわからないけどプロデューサーとかいう人がいて、
あれこれと質問されたり、「こうしたら?」なんて提案される、という環境。
不安だったと思いますよ。
どこまで信用していいんだか、わからんもの。
僕が彼らの立場だったら、いろいろ疑ってかかる。

でもメンバーのみんなは、僕の言うことを真摯に受け止めて、
一生懸命頑張ってくれた。
結果、ベランパレードが今提示出来る最高のものが出来たと思う。
曲目も、ベスト・オブ・ベランパレードだしね。
全曲、抱きしめたくなるような曲ばかり。
ライヴでは全員参加の超アンセム、「ナイトウォーリー」のMVはこちら

レコーディングは普段からよく使用している祐天寺のSTUDIO MECH
エンジニアはこのスタジオ出身の英保雅裕さん。
彼の丁寧で適切なアドヴァイスが、どれだけ助けになったことか。
お世話になりました!

ということで、2014年に初めてライヴを観た2バンドと、
今年になって関わることになり、2週続けてリリースされて、
しかもお店によってはこんなふうに一緒に展開してもらえる、
そんなマジカルな経緯を2回にわたってお送りしました。
※写真はタワーレコード新宿店8F






























p.s.
それにしても、2014年はたくさんのライヴを観て、
自分にとって多くの重要なバンドに出会ったもんだ。
プププランド、ベランパレードでしょ、みるきーうぇいハラフロムヘル・・・。
このエントリを読むと、どうやら2014年が自分史上いちばん多くの
アーティストのライヴを観た年のようだ。
そして、今後これを更新することはおそらく無いだろう。

p.s. 2
そういえばプププランドもベランパレードも、僕が初めてライヴを
観たときからメンバーがひとり替わっていて、レコーディングでは
今回のアルバムが初参加、というのも共通していることに気がついた。
ただそれだけですけど。

p.s. 3
実は来週10月12日にも竹内が関わったアルバムがリリースされます。
See you sooooon!

2016年10月2日日曜日

wilsonic works 69


今週来週と、2週続けて自分が関わったアルバムがリリースされる。

9月28日に発売となった、プププランド『Wake Up & The Light My Fire』
10月5日に発売となる、ベランパレード『omoide fight club』

この2つのバンド、元々僕がライヴで見かけて気になっていて、
つまり僕自身がそのバンドのファンとなったことがきっかけで、
今回仕事としてご一緒出来た、という経緯が似ているのだ。
その辺のことをブログに、と。

まず、今回のエントリではプププランドに関して。

神戸在住のこのバンドのことを知ったのは、メモによると
2014年の6月10日、渋谷LUSHでのイヴェント、Beat Happening!にて。
軽く衝撃を受けた。

このときから既に出囃子がよしだたくろう(吉田拓郎)の「結婚しようよ」
だったかどうかはもう覚えていない。多分そうだったはず。なんだそのセンス。

「ミスター・ムーンライト」というタイトルの曲は、ビートルズ・オマージュかと
思いきや、歌詞は平尾昌章「星はなんでも知っている」を下敷きにしていたり、
フォークロック的な佇まいで「おっぱい」というタイトルの曲を演奏するという、
某バンドのアマチュア時代のステージを彷彿させる場面があったり、
かたやチャック・ベリー直系のロックンロール・ナンバーあり、
いやはや個人的に興味をそそられる要素満載で、一気に気になるバンドとなった。

その日は会場限定のCD『BOYS IN THE BAND』を購入して帰宅。
その音源を繰り返し聴いた。

翌7月に大阪のサーキット・イヴェント『見放題 2014』でもライヴを観て、
すっかりこのバンドのファンになってしまった。
その後、東京でのライヴなどを何回か観るうち、自分の中で確信した。

「このバンド、俺と一緒にレコーディングしたらきっともっと良くなるはず」

いやあの、妄想ですよ、完全に。
でも確信しちゃったんで、彼らが所属するエキセントリック・レコーズの
はいからさんにアポ取って会いに行った。
関西と東京を忙しく往復する中、わざわざお時間を割いてもらった。
僕はときどき、いても経ってもいられなくなってこういう行動を取ることがある。

peridotsがレコード会社ともマネージメントとも契約を終了した、
という話を聞いたとき、なんでもいいから協力したい、と思い、
伝を辿って本人と話をした。そのことも含めた、僕とperidotsの
これまでのことを書いたエントリはこちら

初めてandymoriの音源を聴いて、うわーすげー才能出てきちゃった、と思い、
プロデューサーであるYouth Recordsの庄司さんの連絡先を調べ、
いきなり会いに行き、いかにandymoriが素晴らしいかを
一方的にまくしたててしまったこともある。

peridotsとはそれから数年後に一緒に仕事をすることになった。
andymoriとは特に何もないまま、彼らは解散してしまった。

プププランドとは、嬉しいことに今回のアルバムのタイミングで
一緒にレコーディング出来ることになった。

アルバム・トータルのディレクターやプロデュースではなく、
収録曲の半分くらいのヴォーカル・ディレクション、
数曲のコーラス・ディレクションをお手伝いした形。

彼らのレコーディングは、とにかくみんな楽しそうなのが素晴らしい。
前向きにいろんなことを試し、みんなが遠慮せずに発言する。
今回から新たに加入した谷くんのアプローチも、レコーディングを
活性化させた要因のひとつだったのだろう。
これまで自分たちだけでレコーディングしてきたノウハウもあり、
判断が早く、サクサク進むレコーディングにすっかり感心した。

そういう中僕は、少し時間をかけてじっくりやることの効能、
みたいなものを提示してみたつもり。具体的にここには書かないけど。
多分、それなりに届いたはず。

アルバムのレコーディングは下北沢のhmc studioで行った。
LOST IN TIMEのレコーディングでスタジオを使用したことは
あったのだが、エンジニアの池田洋さんとは初のお手合わせ。
ドラムテックで参加の佐藤謙介さん含めて、新しい出会いに感謝。

そんなわけで、プププランド1年10ヶ月ぶりのフル・アルバム、
『Wake Up & The Light My Fire』は、狂熱のダンス・ナンバー、
叙情的なカントリー・ソング、トロピカルなサマー・チューン、
ヘヴィなギターが炸裂するオルタナ・ロックなどなど含む全9曲収録。
ヴァラエティに富みながらも、人懐こいメロディと
つい口ずさみたくなる印象的な歌詞が次々と繰り出される充実盤。

アルバムのオープニングを飾る「MUSIC」(なんとも堂々たるタイトル!)
のMVはこちら

アルバム制作の経緯などを語り、僕のことにも少し
言及してくれているインタヴューはこちら

10月1日の神戸からリリースツアーもスタート。
インストア含め、全国を回るので、ライヴもぜひとも。
スケジュールはこちらでチェックのほどを。

ということで秋の竹内祭、第1弾プププランドでした。
次週はペランパレードです。
See you soon.




2016年9月6日火曜日

wilsonic works 67 & 68


9月に入ってしばらく経つわけだが、8月にリリースされた自分関連のワークスに
関して、遅ればせながら記しておく。

まず、スピッツ『醒めない』の翌週、8月3日にリリースされた、
『ソウル・フラワー・ユニオン & ニューエスト・モデル 2016 トリビュート』
こちらに収録されたスピッツの「爆弾じかけ」にディレクターとして参加。

アルバム『醒めない』の中の「ブチ」「こんにちは」と同じく、
メンバーによるセルフ・プロデュースでレコーディングされた、
ニューエスト・モデルの最初期の曲のカヴァー。

僕がスピッツのライヴを初めて観たのは1989年のことだが、
それ以前の、マサムネがアコースティック・ギターを持つ前の
スピッツって、きっとこんな感じだったんじゃないかな?と
思わせるようなアレンジと演奏。
あと、この曲とか「こんにちは」は、歌入れの際、いつも使うマイクではない、
ちょっと粗く録れるマイクを使用している、というトリヴィア。

8月24日にはウルトラタワーの15ヶ月ぶりの新曲、
「ファンファーレが聴こえる」が配信リリースされた。
前作「希望の唄」がアニメ『食戟のソーマ』とのタイアップ効果もあり、
YouTubeでもうすぐ300万再生というヒットを記録した彼らの待望のリリースだ。
今回も竹内プロデュース、エンジニアに佐藤雅彦さんというコンビ。
定評のある流麗なメロディと、エモーショナルにして伸びやかな歌声。
ウルトラタワー、今回も裏切らないっすよ。
メンバーが虫刺されに耐えながらシューティングしたMVはこちら

そして昨今の彼ら、ライヴのアヴェレージ上がってきている。
「希望の唄」というキラーチューンがライヴでも効果的に
機能しているからこそ、なのだろう。
観ていて自然に身体が揺れる。

そして。
8月はラジオのゲスト出演という珍しいこともやった。
FM COCOLOの『J-POP LEGEND FORUM』
1ヶ月、ワン・アーティスト、ワン・トピックを採り上げて、
4週〜5週に亘って掘り下げるという、イマドキ非常に贅沢にして丁寧なプログラム。
8月のテーマはスピッツだった。

案内人の田家秀樹さんとは、もう随分前から面識はあり、
以前にも別のプログラムでコメント出演をしたことがあったが、
今回は1ヶ月まるごと、全部で5週にわたって出演というヴォリューム。

最初の2週は最新作『醒めない』の全曲紹介。
これはまあ記憶が新しいので精神的にはまだ気楽だったが、
3週目からは過去のアルバムすべてを時間軸で追って行く構成。
メジャー・デビュー以降、全作品にディレクターとして関わっている、
という触込みで(実際そうなんだが)ラジオに出演しているからには、
間違ったことは言えないというプレッシャーは結構キツかった。

ただ、こんなふうにまとまった形でふりかえることもそうそうないので、
当時の資料やメモ、スケジュールなどを引っくり返して、
結構楽しませてもらったことも事実。
会社員時代のエピソードとか、メンバーが知らないようなことも
盛り込んだりして、自分なりの視点でお話できたと思う。
結果、結構ヘヴィなファンの方にも喜んでもらえたみたいで、
ホッと胸を撫で下ろしている。

そういえば、7月には岡村詩野さんが講師を勤める、
“音楽ライター講座in京都” にもゲストという形出演し、
スピッツに関するお話をさせていただいた。

人前でお話することや、文章を書くことにオファーがあると、
なんか本当にありがたいことだなあ、と思う。
ディレクター続けてきてよかったなあ、とも。

そして今は、もう少し続けたいな、と思っている。

2016年7月28日木曜日

wilsonic works 66


まずは告知から。

wilsonic竹内、ラジオにゲスト出演します。
8月の毎月曜日、21時〜22時、FM COCOLOの「J-POP LEGEND FORUM」。
音楽評論家の田家秀樹さんが案内人となって、毎月音楽にまつわる1つの
トピックを深く掘り下げるという、丁寧かつ現代において非常に贅沢な番組です。
8月はスピッツがピックアップされ、5週に亘ってディレクターである竹内が
ゲストとして出演することになりました。

8月1日と8日はニュー・アルバム『醒めない』全曲特集。
15日以降の3週は、デビューから前作までを時間軸で追っていく予定。
スピッツの楽曲制作の知られざるエピソードなど、スタッフ・サイドからの
視点で語らせていただきます。
関西エリアの方は是非ともチェックしてみてください。
ラジコプレミアムなら、全国どこからでも聴けます。

番組のブログはこちら
案内人田家秀樹さんがブログでこの件をとり上げてくださいました。

以上、告知でした。

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7月27日、スピッツの15枚目のオリジナル・アルバム『醒めない』が発売された。
スピッツのアルバムが夏にリリースされるのはとても珍しく、
過去には『ハヤブサ』(2000年7月26日)だけ。以来16年振り。

今回はファンクラブ会員のみ購入可能な “デラックスエディション”、
CDにDVDもしくはBlu-rayが付いた “初回限定盤”、CDのみの “通常盤”、
そして2枚組ヴァイナル(アナログ盤)という4パターン6種でのリリース。
予約限定生産なので、既に入手が困難になっているのだが、
このブログではアナログ盤に関することを書いてみようかと。

まず、最近の自分のことから。
昨年の暮れくらいから、洋楽の新譜はほぼヴァイナル(アナログ盤)で購入している。
今年の1月〜6月に購入した洋楽の音源は約300枚。
その内、半数以上の約160枚がアナログだ。

欧米でリリースされるアルバムのほとんどがアナログもプレス
されるようになったことと、昨年末にCDを3000枚ほど処分した
ことがアナログ転向の大きな理由だ。
CDしか出ていないものはCDを買うしかないけど、
両方出ているなら、ちょっと割高でもアナログを買う。
大きなジャケットを眺めながら聴くと、音楽は更に楽しい。
音楽を “所有” するなら、アナログがいい。
そんな最近のモードなのです。
保管スペースの確保だけが大問題ですが・・・。

世界的にもアナログ・レコードの市場はここ数年右肩上がりが続いており、
日本でも、近年アナログでリリースする人が増えてきている。

そして、スピッツはこれまで全てのオリジナル・アルバムを
アナログでもリリースしてきた。

5年前、『とげまる』のアナログ盤リリース時に書いた、
スピッツのアナログ盤の歴史についてのエントリはこちら
今読むと、5年で僕自身の考え方が随分変わったことが伺えて面白い。

さて。
これまでスピッツのアルバムのアナログ盤は、CDの発売の数ヶ月後に
発売されてきたが、今回は初のCD・アナログ同時発売!

アナログをCDリリースより遅らせていたのは、
単純にアナログは製造工程に時間がかかるのと、受注のシステム等の問題があったため。
また、アナログにはアナログとして意味のあることを、と考えて、
CDとは曲順を変えたり、曲目を増やしたり、ヴァージョン違いを入れたり、
毎回オリジナルのイラストや漫画を封入したりしていたので、
準備に時間がかかっていたのだ。
今回、同時発売が実現したのは、ひとえにユニバーサルJの
スタッフの尽力のおかげ。お疲れさまでした!

今回の『醒めない』のアナログは、前作までと違ってCDと同じ曲順となっている。
深い意味はないのだが、同時発売なので徒に曲順を変えることも
ないだろう、という考えからだ。
あと、これまでは後発リリースなので、CD購入やDLしてアルバムを聴いていた人が、
別アイテムとしてアナログを買っていた、というケースが多かったはず。
内容を変えるのはそういう方へのサーヴィス的意味合いでもあった。
同発の今回はアナログ一択という方もいるのではないか、と考えると、
大幅に曲順を変えるのは適切ではないかな、と。

漫画はヤマザキマリさんの描き下ろしが実現した。
レコーディング中に、オファーに対して快諾のお返事いただき、
そのニュースにメンバー共々大いに盛り上がった。
「テルマエ・スピッツ」と題された漫画、最高です。

『小さな生き物』のアナログにはCDとほんの少しだけ違うところがあった。
それは当時全国タワーレコードで開催した “小さな生き物展” で公開した
僕の「制作メモ」でしか明らかにしていないので、知らない人が多いかもしれない。

さて、今回はCDとアナログで違いはあるのだろうか?
両方購入した方は、是非ともチェックのほどを。

あと、これは毎回そうなのだが、CDとアナログは基本的に音が違う。
フォーマットによる違いは勿論のこと、エンジニア高山徹のミックスした
音源を、CDはそのまま高山さんがマスタリング(さりげなく今回のトピックですこれ)、
アナログはビクターの小鐡さんがカッティングしている。
最終工程を違う人が行っているんだから全然違うんです。
聴き比べ出来る方は、その辺気にして聴いてみてはいかがでしょうか。
ま、CDもアナログもそれぞれめっちゃいい音であることは保証します!

本当にアナログのことしか書かないブログになってしまった。
アルバム全体の宣伝も最低限しなきゃ!

田家秀樹さんによるオフィシャル・ライナーノーツはこちら
アルバム・トレーラー映像はこちら
MVは、「みなと」「醒めない」をどうぞ。
あと、タワーレコード渋谷店8Fにて、『醒めない展』開催中です。
8月7日までなので、お早めに!

スピッツのディレクターとしてレコーディングに携わって今年で26年。
オリジナル・アルバム15枚目にして、まだまだワクワクさせてくれる、
こんなミラクルなバンドのディレクターでいられて、ホント幸せ者っす。

というわけで毎回自己新記録を更新するバンド、スピッツの最新作『醒めない』。
今回も、最高です。

p.s.
これを書きながら思い至った。
10代後半〜20代にかけて、ナイアガラ・レーベルの諸作品に触れ、
オリジナルと再発盤、CDとアナログでのヴァージョン違いなどに
大いに振り回された僕自身の経験が、スピッツのアナログ盤を出すときの
考え方に反映されているのだなあ、と。
当時、宝探ししているような気持ちで音楽を聴いていたんだ、僕は。
そして、いろんな宝物を見つけることが出来た。
それが僕の “ガーンとなったあのメモリー”。