2009年8月27日木曜日

Ellie Greenwich...


Ellie Greenwichも死んじゃった。

もうこの書き出しで文章書くのも嫌になってきた・・・。
ラリー・ネクテルとほぼ同世代。

ロネッツの「Be My Baby」1曲だけでも、ロックの殿堂に入れる
実績だと思うけど、彼女が残した楽曲は、もちろんそれだけじゃない。
Phil Spectorプロデュース作品は勿論、Shadow Mortonなんか
ともいい仕事をしていた。
去年英ACEからリリースされたJeff Barryと彼女の作品集は、
ポップス・ファンは必聴だと思います。
ニュースとしてはこちらのRolling Stoneの記事が割と丁寧で、
試聴にも飛べるのでよろしかったどうぞ。

「Be My Baby」がこの世でいちばん大好きなブライアンも
彼女の死を悲しんでいることでしょう・・・。

今夜は彼女の1968年のソロ・アルバムでも聴こうかな。

2009年8月25日火曜日

Larry Knechtel Passed Away...

ラリー・ネクテルも死んじゃった。

日本のニュースではBreadのことがほとんど触れられていないのが
少し悲しい。

どうでもいい芸能人のどうでもいいニュースより、
ラリー・ネクテルの業績をたどるなどしたほうが、
よっぽどジャーナリズムだと思う。
本当に日本のワイドショー(と、それを喜ぶ日本人)
にはうんざりです。

そんな訃報を聞いた僕が今日聴いているのは、
これ、2枚組で1枚はピッカピカの新譜、もう1枚は
彼のオールタイム・ベストという大盤振舞仕様。

しかし、声が変わらないというのはすごいですね。
半世紀、同じ声で歌い続けているニールに乾杯(完敗)です。


2009年8月15日土曜日

SUMMER SONIC 09 vol. 3


89日(日)

andymori (Sonic)

Cancer Bats (Mountain)

Tame Impala (Sonic)

Mutemath (Marine)

The Temper Trap (Sonic)

Grizzly Bear (Sonic)

The Vaselines (Sonic)

Teenage Fanclub (Sonic)

Sonic Youth (Sonic)

The Flaming Lips (Sonic)


基本ずっとソニック。

ウイルソニックがサマーソニックに行ってソニックステージで

ソニックユースはじめいろいろ観た、つまり「ソニック祭」っちゅうことです。


andymoriは今本当に大好きな日本のロックバンド。

初めて彼らの音楽を聴いたときは本当にビックリした。

こういう音楽が湧き出てくるのって、どういう頭の構造なんだろう?

それが全くわからなくて、もうシビレちゃったわけですよ。

ライヴは何回か観てきましたが、この日の彼らはとても丁寧なステージ。

まあ、丁寧といっても彼らなりに、ですけどね(笑)。

あー、僕はもし今20代だったらandymoriになりたい(笑)!


The Temper Trapは日本のCDショップでも結構展開されている

オーストラリア出身の有望株ですが(あ、Tame Impalaもオーストラリアだ。

前日のLenkaも含め、豪州アーティスト結構観てた)、ライヴもよく出来ていて、

将来性大いにあり、と思いました。ライヴでの高揚感をいかに効果的に

作り出すか、ということに意識的だし、もちろんベーシックな技術もしっかりしている。

ライヴ観て、CDもう1回ちゃんと聴かなきゃ、と思ったアーティストです。


Grizzly Bearはしっかりしていたなー。ある意味予想通り。

Two Weeks」の名曲っぷりもライヴでしっかり再現されていた。

ドラマー張り切りすぎてスネアぶっ壊してオロオロするという

ハプニングもあったが、「スゴイことをサラリとやってのける」という感じが

低温ヤケドになりそうなステージでした。


Vaselines人気ありましたねー。

ここからはステージが進むごとに客も増えて大変です。


ちなみに今回のサマソニで僕が買ったTシャツは、

Grizzly BearTeenage FanclubJenny Lewis

買いたくても買えなかったのがVaselinesThe Flaming Lips

悔しいなー。VaselinsのピンクのT、欲しかったなー。


Teenage Fanclubは枯れてましたねー。

というか、彼らのギターが歪んでいた時代っていうのが、

彼らにとって特殊な時期だったのであって、そのイメージが

鮮烈だった故に今の姿を「枯れて」いると云いたくなるだけなのかも。

彼らはある意味ずーっとwannabe The Byrdsなバンドだったのじゃないか、と。


えーと、この時点で3日間の疲れがどっと僕を襲ってきたので、

1Fのカフェに避難し、言葉通りのコーヒーブレイク。

Sonic Youthの後半から復帰し、その変わらぬ轟音ぶりにクラクラし、

最後のサーストンとリーのギター馬鹿対決に大笑いした。


そしてThe Flaming Lipsです。恥ずかしながら初体験です。

45歳の男としては相当頑張って前方に行き、もみくちゃ汗だくになりながら楽しんだ。

だってさー、1曲目から「Race For The Prize」ですよ(狂)。

しかも1曲目の前の呼び出しはもちろんのこと、ステージの転換時から

ずーっとパフォーマンスは続いていて、その上での1曲目ですからね。

その時点で既に最高潮なのです。

The Flaming Lipsのステージは、今年観たOf Montrealともベクトルが似ている。

それは「これがこうなったら面白いだろうなー、楽しいだろうなー」

という妄想を具現化している点。

妄想とは非日常である。

コンサートとは「ハレ」である。

これまた同じく今年観たAkron/Familyのステージに感じた「祭礼」的

雰囲気も彼らのステージには漂っていた。

圧倒的な多幸感。

帰りに僕の横を通った人が「みんな笑顔だね」って言っていたのが印象的。

今秋発売されるニュー・アルバムも相当楽しみですねー。


The Flaming Lipsの裏(?)だったビヨンセのステージも、

もしかしたら相当の「非日常」感を出していたのかもしれないなー。


という3日間でした。

疲れましたねー。

楽しかったねー。

思わぬ掘り出し物とか、偶然の発見とか、価値観の転換とか、

書いていないこともいくつかあって。

あと、多くの知人とも会えて、会話が出来て。

全く仕事抜きでこういった大型フェスに身を投じる、

というのも初の体験だったことにふと気付きましたが、

だからこんなに虚心に楽しめたのかー。

SUMMER SONIC 09 vol. 2

8月8日(土)


Lenka (Mountain)

Paolo Nutini (Mountain)

Little Boots (Sonic)

Mando Diao (Mountain)

Golden Silvers (Island)

Placebo (Marine)

The Ting Tings (Sonic)

Tom Tom Club (Dance)

Elvis Costello And The Imposters (Mountain)

The Specials (mountain)


残念なのはマジでB’zを観られなかったこと。

僕はコステロを選びました。そしてそれは間違っていなかったと思うけど、

サマソニのB’zは観ておきたかったなーと。


この日の掘り出しものはPaolo Nutini

the telephonesを観ようとDance Stageに行ったら、

入り口前に人がごった返していて入場規制状態。

しょうがないなー、と大して期待もせずに(失礼!)

Mountain Stageに行ってPaoloのステージを観る。

CDでは前もって聴いていたし、UKのチャート上では上位に長くいることも知っていた。

でもなんか人気の実態がイマイチつかめずにいたところ、ライヴを観て納得。

この人、ライヴがめちゃくちゃいいんです。

あと、若い美少年っていうことも当然重要な要素。

曲もそうなんだけど、達者なバンド・メンバーと奏でるそのサウンドは、

イギリスの若者が好んで演奏するタイプのそれとは一線を画し、

古き良きアメリカン・ロックンロール・マナーを咀嚼した音楽だった。

もっと「表面的なんちゃってルーツ系」な人(どんな人?)かと思っていたんですが、

本当に失礼しました。期待せずに観て感動できて、フェスの効用って

こういうことだよなー、とひとりごちた次第。

それと特筆すべきはそのPA。サウンド・エンジニアには今回のサマソニ

音響大賞をあげます。ミュージシャンが出している音も素晴らしかったんだろうけど、

本当にいい音で聴けた。


The Golden Silversはギターレスのトリオ・バンド。

こちらもCDではあまりピンと来ていなかったんですが、人懐こいステージング、

どこかしらBrian Wilson成分を感じさせるアレンジメントなどに好感を持ちました。


Elvis Costello

80年代の曲を多めにピックアップしましたが、終盤の

(What’s So Funny ‘Bout) Peace, Love And Understanding」~「Alison

という流れでよよと泣き崩れそうになったのは僕だけではあるまい。

ただ前述のPaoloくんと較べちゃなんですが、音が良くなかった。

特にコステロ本人のギターが。

まあ、それが好きなんだといわれたらそれでおしまいですけど、

個人的には残念でした。


最後のスペシャルズは、Terry Hallのご尊顔を拝見して数曲観て帰りました。

僕が大好きなテリー・ホールは実はスペシャルズじゃなくて、

Terry, Blair And Anouschkaなんです(マジで)。


しかしこの日、Tom Tom Club以外ほとんどUK or EU系しか観てないね。

SUMMER SONIC 09 vol. 1

8月7日(金)

Totalfat (Island)

Red Light Company (Mountain)

School Of Seven Bells (Sonic)

福原美穂 (Beach)

Sliimy (Island)

Jenny Lewis (Beach)

Mercury Rev (Sonic)

Mew (Sonic)

The Enemy (Mountain)

Mogwai (Sonic)


初日ということでペース配分がまだわかっていない。

Mogwaiの凜とした演奏中にもかかわらず立ちながら寝てしまいそうになり、

帰途についた…。


この日のベスト・アクトはJenny Lewis

アメリカのロックンロールとは、これであると深く感じ入った次第。

バンドも素晴らしく、単独公演を観ることが叶わなかったのが残念です。

残念なことといえば、開演5分前に着いたのに楽々と最前列だったこと。

おかげでJenny様の堂々たる体躯をかぶりつきで観ることができたのですが、

33歳の割にそうとう貫禄があるのが、さすが子役出身のキャリアですなー、と。

Rilo Kileyとしての活動、また片割れであるThe Electedはその後一体

どうなっておるのか、など、Jenny Lewis周辺、妙に気になる。


一部で「フランスのMIKA」などと呼ばれているSliimyは、

実はちょっと期待していたんだが、惜しかった。その名の通り、

細すぎる体型にクネクネダンス、やたらギタリストと絡むなど、

どう考えてもそっち系の人ですよねオーラ出しまくりですが、

曲の詰めが甘いんだな。

しかしまあ、こんなアーティストを呼ぶサマソニ、偉い。

最近ようやくNMEでもリヴューが載ったばかりですからね。

ちなみにこの会場でも僕はほぼ最前列(人気ないアーティストばかり

観ているのか俺は?)。


あと印象に残ったのはThe Enemy2枚目のアルバムの印象は正直あまり

残っていないんだけど、ライヴはなんか良かった。

決してリズムとか良くないんだけど、トリオ・バンドとしての矜持みたいなものも見え、

何よりもTom Clarkeのヴォーカリストとしての圧倒的な自信のほどにやられた、って感じ。

これでまだ21歳?

2009年8月10日月曜日

The Duckworth Lewis Method


これ、最高です。

The Duckworth Lewis Method←amazon/co/jp品切れ中。

UKのamazonから届いてしばらく放っておいたんだが、今日聴いてみたら
とてつもなく素晴らしくって、「一体この人何者?」と、自分で買っておきながら
もう一回調べてみたら、The Divine ComedyのNeil Hannonの新プロジェクト
だったから購入した、という経緯が判明。うん、そりゃ買うわな。

で、彼らのmyspaceをチェックすると、フレンズには見知った顔がずらり。
で、もう一回CDのクレジットを見ると、Neilと共にこのバンド(ユニット)の
メンバーとして名を連ねているのが、PugwashのThomas Walshだという
ことがまた判明。

世界中のXTCマニアにはつとに有名なダブリンが産んだポップ・アイコン、
Pugwashまで登場です。これでもう、このプロジェクトの信頼度は圧倒的に
完璧なわけです。PugwashのメンバーのKeith Farrellはこのアルバムで
エンジニアを務めているしね。

で、このアルバムの素晴らしさ。
うまく言い表すのが難しいんだけど、ジャンルでいえば、「モダーン・ポップ」
でしょうか。
70年代のイギリスで、10CCとかDeaf SchoolとかSailorとかがいた頃のあの
雰囲気がありながら、エキセントリックな匂いはなく、限りなくニュートラルに
ポップスを楽しんでいる、そんな感じ。もちろん、XTCやPugwash、それに
ディヴァイン・コメディのファンも大いに楽しめるはず。

あ、あとこのアルバムというかユニット、クリケットがメインのテーマみたい
なんですけど、多くの日本人にとって、クリケットというスポーツというか
文化は、なかなか理解しがたいものがありますねー。だって、場合に
よっては1試合が何日も続くんだってさ。意味わかんないよ。
優雅だけどねー。

ということで、次はサマソニ・レポート、必ずや。

The Flaming Lips!!!


サマーソニック09、3日間堪能してきました。

取り急ぎ、最終日ソニックステージの大トリ、
The Flaming Lipsがあまりに素晴らしくて急遽書き込み。

ロックの未来の多くは彼らにかかっていますね、多分。
サマソニの詳細は後日アップします。

2009年8月1日土曜日

Matthew Sweet & Susanna Hoffs

Matthew Sweet & Susanna Hoffsのカヴァー・シリーズ第2弾、
『Under The Covers Vol. 2』がやっぱり素晴らしかったというお話。

3年前にリリースされた第1弾ではThe Stone Poneys (Linda Ronstadt)の
「Different Drum」 (作者は元The MonkeysのMichael Nesmithね)が
えらく出来が良くて、感心しました。

第2弾の個人的な目玉はなんだろう?Big Starの「Back Of A Car」かしら?
日本人にとっての地味度は前作のThe Left Bankeカヴァー
「She May Call You Up Tonight」と同様くらいかと思われますが、
キャッチーなのにマジカルなハーモニーに惹かれてしまうこの
二人の嗜好がよくわかるわけです。

選曲、アレンジ(基本オリジナルに忠実)は申し分ないに、
男女のヴォーカルの振り分けも見事なナイス・アルバムなんですが、
最近のマシューものに共通する残念な点がひとつ。
最近、すべてのエンジニアリングをマシュー本人が手掛けることが
多いので、いい場合は最高に気持ちいい。
ただ、時々客観的な視点を忘れ、自分の気持ちよさが先行し、
結果バランスが悪い、ということがたまにあるのです。
この辺、難しいよねー。
自分が思ったとおりの音を作れている、と本人は思っているわけだから、
余計なお世話なのかもしれないからねー。

でもほら、かつてBrendan O'BrienやJim Rondinelliがmixした
マシューの音を聴いている者にはそんな意見がつい出てしまうのだなー。

あ、9月には日本盤も出るみたいですねー。ボーナス・トラックとかあるのかな???