2015年5月16日土曜日
wilsonic works 47
5月13日、ウルトラタワーの2枚目のミニアルバム『bluebell』と、
初めてのシングル「希望の唄」が同時リリースされた。
両方とも、前作に引き続きがっつりとプロデュースに関わっている。
『bluebell』にも収録されている「希望の唄」は、
この4月から放送がスタートしたアニメ『食戟のソーマ』のオープニング・テーマ。
昨年11月から曲作りに着手し、年明けの1月いっぱい、
年末年始含めずーっとこのタイアップのことを考えていた。
この作業のすぐ後に、スピッツの「雪風」のレコーディングが
あり、なんかずっとタイアップ物件のことを考える日々だった。
タイアップというものは、音楽を作る側と音楽を使う側、
両方にとってメリットが無ければ成り立たない。
僕のような立場でディレクターやプロデューサーとして
関わっている人間は、両者の意図を理解して、
双方が望むことの最大公約数を見つけ、
いかにスムーズに最高の形に到達させるか、を考える。
それも、仕事のひとつ。
通常、フリーランスの立場で関わっていると、
クライアントとのミーティングにはなかなか立ち会えないのだが、
スピッツや今回のウルトラタワーの場合は、
ありがたいことに最初のミーティングから参加させてもらえた。
クライアントや監督の意図することを直接お伺い出来たので、
理解が深まり、仕事もしやすかった。
アニメ『食戟のソーマ』がスタートして以来、「希望の唄」の
評判は上々のようで、ホッとしている。
これまで、ウルトラタワーのことを知らず、このアニメで初めて
彼らのことを知った人が、「いい曲」と素直に反応してくれる。
タイアップの醍醐味だ。
これをきっかけにYouTubeを検索してくれたり、
CDを聴いてくれたり、ライヴに足を運んでもらえたりすると、さらに嬉しい。
ということで「希望の唄」のMVはこちら。
監督は、スピッツ「スパイダー」やセロファンのMVでも
お世話になった、井上強さん。
とても久しぶりだったけど、相変わらずのスタイリッシュな
作風にシビれました。
そしてミニアルバム『bluebell』。
前作『太陽と月の塔』の完成度を軽く凌駕したんじゃないかな、と。
「希望の唄」以外の曲の充実度、半端ないっす。
デビュー以降いろいろと体験したことが、
曲の深度に反映されている。
特に「春に残る雪」というバラードは、歌詞も曲も、その両方の
マッチングも、アレンジも歌唱も相当すごいんじゃないか、と思う。
ちなみに弦アレンジは前作に続いて棚谷祐一さん。
あまりに良い曲なので、この曲もMV作っちゃいましょうよ、
なんて冗談半分に云い続けていたら、
本当に作れてしまったのでびっくり。
強い音楽は人も予算も動かす、ってことですね。
というわけで、映画『FORMA』で世界に名を馳せた
坂本あゆみ監督による「春に残る雪」のMVはこちら。
曲の上に、撮影現場で録音した自然音などを被せた、
フィールド・レコーディング的手法を取り入れた、
日本ではあまり類を見ない意欲作。
ヴォーカル大濱の役者デビュー作でもあるので、
是非ともチェックのほどを。
あと、今回のアート・ディレクションとデザインは、
TLGFの河原光さん。
なんと、多分18年振りくらいにお仕事させてもらった。
数年前に河原さんがCENTRAL67の木村さんらと
三人展をやったときにお会いして、お久しぶりですーなんて
挨拶して以来、またいつか機会があればご一緒したいと思っていたのだった。
カメラは中野敬久さん。
彼ともお仕事は数年振り。
この二人のいろんなアイディアで、撮影は非常に楽しく、
マニアックなものになった。
ジャケットには、河原さんとメンバーとで考えた、
いろんな仕掛けがあるので、隅々まで目を凝らしてほしい。
というわけで、今回のウルトラタワー、音源のみならず、
ジャケットやMVなどのヴィジュアル周りも含めて、
全て竹内がトータル・プロデュースというものになっている。
こういう関わり方、元々メーカーでディレクターをやっていた
人間にとっては、とても嬉しいものなのです。
リリースを受け、続々とライヴも決まっている。
お近くでライヴがある際は、是非とも足をお運びください。
詳しいスケジュールは彼らのオフィシャルで。