2014年7月11日金曜日

wilsonic works 39


今月5日からLIVE会場限定販売という形でリリースされた、
PERIDOTSのアコースティック・セルフ・カヴァー・アルバム、
『TIMEPIECE』にディレクターとして関わった。
PERIDOTSとのお仕事は今回が初。

PERIDOTSのことはデビュー前から知っていた。

確か2004年のことだと思う。
Teenage Symphonyという名のレーベルをオーガナイズしていた僕は、
既にデビューしているゲントウキbonobosに続く新人を探すため、
日夜都内やその他の街でライヴを観ていた(今と変わらんじゃないか)。

その日も当時bonobosのディレクターをやっていた
土橋くんと一緒に、渋谷のライヴハウスに行った。
CRJ-Tokyoのイヴェントだった。
そこに、PERIDOTSは出ていた。

僕も土橋も、見終わった後ちょっと興奮して、
何このバンド(当時はバンド的な見え方をしていた)ちょっと
ヤバくないか的にふたりで盛り上がっていた。
すぐにバンドとコンタクトを取ろう、と旧知のCRJスタッフに
「彼らって今、どういう状況なの?」と訊いたら、
なんと昨日だかその日だか、とあるマネージメントと
契約を結んだばかり、だと!
ほぼメーカーも決まっている、とのことだった。

時、既に遅し。

2006年、PERIDOTSはメジャー・デビューした。
名曲「労働」を含むミニ・アルバム『PERIDOTS』
当時はそんな経緯もあり、なんか悔しくて買わなかった(子供かっ!)

同年PERIDOTSは、スピッツが毎年大阪で開催しているイヴェント、
"ロックロックこんにちは!" に出演した。
その素晴らしいステージに感動した僕は、打上げで初めて
PERIDOTSことタカハシコウキくんと言葉を交わす。

2007年、PERIDOTSはユニバーサルに移籍。
リリースしたミニ・アルバム『EVERY LOVE SONG』
収録された「秘密」という曲の、もうなんと形容していいのか
わかんなくらいの名曲っぷりに改めて惚れ直す。

2008年、マネージメント、メーカー共に契約を終了した、
というニュースを聞き、僕は知人を介してタカハシくんと
会って話をした。
僕に出来ることがあれば何でも協力したい、と申し出た。

当時僕はまだメーカー・ディレクターだったから、
やれることは限られていたのだけど、
素晴らしい才能を放ったらかしておくわけには
いかない、との思いだけだった。

しかし僕が何かする必要もなくほどなくしてメーカーも決まり、
2010年、デビュー5年目にして初のフル・アルバム
『MY MIND WANDERS』をリリース。
2012年には『Follow The Stars』、2013年に『concourse』と、
それまでの寡作振りとは打って変わった充実したリリースが続く。

そして、去年発表の3rd『concourse』の出来が本当に素晴らしくて。
このエントリにも書いたんだけど、力の抜け具合と曲のクオリティの
高さの共存がとにかくもう奇跡的だった。
リリース後にキリスト品川教会で行われたライヴに行き、
タカハシくんにそんな感想をうざいくらい伝えた。
それが2013年8月のこと。

秋になり、PERIDOTSのディレクターの方から連絡が入り、
制作を手伝ってもらえないか、とのありがたきオファー。
もちろん僕は二つ返事で快諾。曲作りの準備に入った。

残念ながら、このとき進み始めたプロジェクトは完成を
見ぬまま中途で終わってしまった。
が、年が明けて今年の春、今回の『TIMEPIECE』の企画が
立ち上がり、改めて参加要請をいただいたのだった。

曲選びからアレンジの方向性とか、一応ミーティングや
メールのやりとりはしたけど、基本的にこれまで
3枚のアルバムを作ってきた鉄壁のチームPERIDOTSの
やることに間違いがあるわけない。

プロデュースはPymiersher Light(久保田光太郎 & 河野圭)とタカハシコウキ。
アレンジは久保田さんと河野さんがそれぞれ4曲ずつ。
エンジニアはstudio formの渡辺敏広さん。
この人たちの超人的な作業に舌を巻くばかりの日々。
ただただ、スタジオで「すげー」とか、「最高!」
とか感想を云ってるだけだった。

実際、ものすごい集中力と愛情がその現場にはあった。
実力のある人たちが刺激し合って互いの潜在能力を引き出す。
毎日、全部が火事場の馬鹿力、みたいな感じ。

というような経緯で僕がPERIDOTSの現場に初めて関わった、
アコースティック・セルフ・カヴァー・アルバム『TIMEPIECE』。
収録曲目などの情報はこちら
8曲目の「時間旅行」は新曲。
そしてこの新曲の出来がとてもいいのよ。
ぜひとも多くの人に聴いてほしい。

近々では、明日7月11日(金)の北沢タウンホールのライヴで販売します。

8月から9月にかけて、北海道から九州まで、全国10ヶ所を
タカハシくんひとりでツアーをする "ECHOES & WALLS 2014 -ALONE-"
ここでも販売します。
お近くの会場に是非足をお運びください。
タカハシくんのライヴで生のPERIDOTSを体験してみてほしい。

今回のこのアルバム、とりあえずまずは "LIVE会場限定販売"
なんだけど、狭い界隈だけで終わらせてしまうのはもったいなさ過ぎる。
なんか、この音楽とPERIDOTSがいろんなところに
拡散して行くことを考えたいなー、と思っています。

あと、PERIDOTSのことよくわかんない、と云う方は、
まずはこちらのYouTubeのオフィシャルサイトをご覧ください。
MVから弾き語りまで、いろんなPERIDOTSがいます。

繊細さと力強さを併せ持つマジカルな歌声、宝物のような音楽。
それが、PERIDOTS。