2012年9月19日水曜日
wilsonic works 23
本日9月19日は、99RadioServiceのニュー・シングル
「BYE × BYE」(これで"バイバイバイ"と読みます)の発売日。
収録されている4トラックのうち、タイトル曲と「リオトキオ」の
2曲をプロデュースした。
彼らと仕事をしたのは今回が初めてだが、
99RadioServiceのヴォーカル&ギターであるKo-heyとは、
LOST IN TIMEの『LOST AND FOUND』のレコーディングの
ときにすれ違っている。
「ニジノシズク」という曲のコーラスにと、海北くんが
スタジオに連れて来たのだ。
僕はこのアルバムの共同プロデューサーだったんだけど、
このコーラス録りに関しては全て海北くんの仕切り&ジャッジ
で進めていたので、当時僕はKo-heyとは挨拶もせず。
それが2010年の半ばくらいか。
当時99RadioServiceはインディから1枚目のアルバムを
リリースしてしばらく経っていた頃だった。
その後彼らはメジャーに進出し、2枚目のアルバムを2011年9月にリリース。
昨年11月のシングル「YOUTHFUL」はアニメ『ちはやふる』の
主題歌に抜擢されるなど順調なリリースを重ねる。
前作から約10ヶ月のインターヴァルでリリースされる今回の
シングルで、僕にプロデュースのお話が来た。
経緯としては、こうだ。
彼らの所属レコード会社VAPは、同じく僕が最新作『何重人格』
をプロデュースした、タニザワトモフミくんと一緒。
今年2月頃、タニザワくんのディレクター氏が出来上がったばかりの
『何重人格』をデスクで聴いていたところ、近くにいた
99RadioServiceのディレクター氏が興味を持ち、竹内という男にも
興味を持った、ということらしい。
こういう連鎖、嬉しい。
去年の暮れにも、それに似たようなことがあって、もうすぐ
それも形となって世に出て行く予定なんだが、
なんてゆーか、
ちゃんとやれば誰かがちゃんと評価してくれるし、
逆に手を抜いたり楽したりしたら、必ずその報いが返ってくる。
だから仕事はいつも真剣勝負、100%の自分を投入せねば
ならないんすよねー。
当たり前ですが。
閑話休題。
そこからトントン拍子に話が進み、ビートルズ好きのKo-taと
バディ・ホリー好きのKo-heyという兄弟を中心としたこの
バンドの曲作りに関わっていくことになった。
3月に曲を絞り込み、4月に詞やアレンジの詰め、プリプロ、
5月にはレコーディングを終える、という作業の流れ。
と書いてしまうとあっさりだが、実に濃い~い作業の連続だった。
初めて一緒に仕事をしたとは思えないほど、
最初から深いところにググっと入り込んで共同作業が出来た。
毎日のように新しいアイディアの応酬。スクラップ&ビルドの連続。
終わったときの充実感、半端なかったっすねー。
これは、メンバーがクレヴァーでオープンマインドだからこそ。
ガチンコ作業なのでときに衝突したり意地張ったりみたいな
場面もあったような気がするけど、それもすべて最良の結果を
産み出すための重要な通過点だったと云える。
そして今回のレコーディングで重要なキーパーソンが、
エンジニアのmixmix佐藤雅彦さん。
佐藤さんと竹内の初めてのお仕事は、スピッツの『花鳥風月』に新録音で
収録した「愛のしるし」と「流れ星」という白井良明さんのプロデュースの2曲。
1999年のことだからもう13年前か・・・。
その後、男女ユニット "Lita"のレコーディングでお世話になったり、
スピッツのライヴをレコーディング&ミックスしてもらったりしていたが、
ここ何年かはご一緒する機会がなかった。
今回、99の音は佐藤さんにやってもらうしかない、と直感が閃き、
andymoriやらチャットモンチーやらplentyやら女王蜂やらで
超多忙な彼のスケジュールをなんとかこじ開けていただき、久々に
お仕事させてもらった。
きっと99のメンバーとは心も音もマッチングが良いはずだとは
思っていたものの、予想以上のハモり具合。
佐藤さんのエンジニアとしてのスキルや知識の充実はもちろん、
当意即妙な話術にメンバーも僕もすっかりやられちまいました。
そして、独立されて自分のスタジオを作ったことも大いに影響している
のだと思うけど、音楽制作に対する真摯な姿勢も素晴らしく、
大笑いしながらも背筋が伸びる思いの毎日。
刺激的で真剣で、参加するみんながそれぞれの最大の力を
発揮する。それでいて笑いが絶えない現場から生まれた音楽。
99RadioServiceのニュー・シングル、「BYE × BYE」には、
そんなマジカルな音が封じ込まれています。
タイトル曲「BYE × BYE」は、Ko-heyの切ない声質を活かした、
秋の気配にマッチする失恋ソング。
2曲目「リオトキオ」は、表題曲とはうって変わって、地球の裏側まで
踊り倒すくらいの勢いの、ライヴではシンガロング必至の
アッパー・チューン。
3曲目以降は僕は関わっていないんだけど、トラック3は、
僕も大好きなアメリカのパワーポッパー"Bleu"が彼らのために
書き下ろした曲だし、4曲目は前作シングル「Youthful」の
ライヴ・ヴァージョンと、盛りだくさんとなっております。
ギター&ヴォーカルのKo-taが演出した「BYE × BYE」の
MVもぜひともチェックのほどを。