きっかけは映画『Exit Throuth The Gift Shop』という映画の予告編。
流れていた音楽がやけに気になった。
なのでその映画を先週観に行った。
映画自体も相当面白かったんだけど、オープニングとエンディング
に使われているキラキラした音楽にすっかりヤラレてしまったのだった。
それが、Richard Hawleyの「Tonight The Streets Are Ours」。
この曲は新曲ではない。
2007年の8月にシングルとしてリリースされ、当時全英チャート40位。
その後5枚目のアルバム『Lady's Bridge』にも収録された。
ちなみにこのアルバムは、現在までの彼のソロ・キャリアの中で最高の、
UKチャート6位を記録している。
「彼のソロ・キャリア」と書いたけど、リチャード・ホウリー(日本では
彼の名前は "リチャード・ハーリー" と書かれている場合が多いけど、
綴りからしたら "ホウリー" なんじゃないかなー、と確信も無く)は、
ソロとして活動する前に、ギタリストとしてLongpigsというバンドで
2枚のアルバムをリリースしており、バンド解散後、Jarvis Cocker
率いるPulpに参加している。
21世紀に入ってからソロとしての活動を始め、これまでに
6枚のソロ・アルバムをリリースしてきた。
ざっくりと彼の略歴を書いてきたけど、僕自身はこれまで
彼のことをあまり詳しく知らなかった。
Longpigsは1stアルバムを持っていたけど、
彼がそのメンバーだったことを認識していなかったし、
ソロ・アルバムは2009年の『Truelove's Gutter』を
持っているだけだった。
というような体たらくだったので、慌てて件のアルバム
『Lady's Bridge』をポチって、届いたのが先週末。
それ以来、一日最低5回は聴いているのです、
「Tonight The Streets Are Ours」だけを。
なんかもう、イントロが始まった途端に身体が
トロケてしまうような感覚。
やったことないけど、多分ドラッグによる多幸感って、
こんな感じなんじゃないか、とすら思えるくらい、
この曲に酔っている。
まず。
明らかにこの曲はPhil Spectorを意識している。
煌びやかなストリングス、女声によるバッキング・ヴォーカル。
ブックレットにある楽器クレジットを見ると、
エレクトリック&アコースティックの12弦ギター、
6弦、バリトン・ギター、タンバリンにカスタネット(!)。
いやーもう、僕の大好物なサウンドです。
メロディも、あざと過ぎずに切なくて最高!
歌はお世辞にも美声とは言い難いんだけど、
そこにまたリアリティがある。
彼の英国での人気が今までイマイチ理解できなかったんだけど、
少しわかったような気がした(いや気のせいだと思うよ)。
そして歌詞。
映画『Exit Through The Gift Shop』の監督でもある
ストリート・アーティスト、Banksyがこの曲をテーマ・ソングに
ピックアップしたのは、その歌詞によるのだろう。
タイトルの直訳→「今夜、ストリートは俺たちのものさ」。
歌詞と一直線につながってしまった。
甚だ恣意的な連関ですみません。
そしてそれがBarbara Lewisの「Baby I'm Yours」(Van McCoy作曲)
に直結して、アトランティックのR&Bとスペクターと大滝さんとリチャードが、
ないまぜになって僕の中で暴れ回っている、という構図なんですよ。
乱暴だけど自分の中でそういう流れが出来てしまったんだからしょうがない。
そして僕の中でそんなことを思わせてくれる楽しい音楽は、昨今UKからしか
生まれていないことにも気付いたりするんだな、これが。
前にTwitterでもつぶやいたCodein Velvet ClubのHollywoodとか、
一連のMIKAの作品群とか、80年代からずっとすごいIan Broudieとか。
で、20年くらい前にIan BroudieがプロデュースしたThe Icicle Works
の「Traveling Chest」っていう曲がもう、一気に繋がっちゃうの。
アイシクル・ワークス、最近リマスター盤が出ていてちょっとやっぱ
買っちゃうよねー、とか。
**********************************************************************************
約2ヶ月ぶりにブログを書いているため、全くリズムがつかめていない上に、
書きたいことが絞り切れていないのが見え見えのこのグダグダっぷり。
ホントすみません。
後半の口述筆記的な展開は僕自身の思考回路をリアルタイムで
書き起こしているようでちょっと面白いかも(わたしだけ?)
でも、映画『Exit Throuth The Gift Shop』が公開されている間に
このネタをアップしなきゃなー、という勝手な義務感から
なんとか形にしてみました。
いろんなハイパーリンク埋め込んでおきながら、
肝心のリチャード・ホウリーの当該曲への直接のリンクは張っていません。
そしてそのこと自体が僕からのメッセージです。
2011年の今、それがメッセージとして伝わるか、
甚だ心もとないんですけどね。