2010年7月8日木曜日

wilsonic works 6 スピッツ「ビギナー」


昨日7月7日から、レコチョクにてスピッツの新曲「ビギナー」の

今年4月からスタートした全国ツアーで新曲として
披露されており、ライヴのお客様にはお馴染みの曲。
加えてサッカー日本代表の中澤選手が出演する、
ゆうちょ銀行のCMソングとして起用されている曲です。

パッケージとしてのリリースが未定の状況で
配信オンリーの発売というのは、スピッツにとって
初の試み。
おかげさまで昨日初日のDLは非常に好調のようです。

ちなみに、こういう配信のみのシングル(?)という
あり方は、パッケージをプレスして流通させる
コストがかからないこともあり、昨今新人を
中心に結構多くなっています。
「デジタル・シングル」という呼称が使われることが
多いんですが、CDだってデジタルじゃねーかよ、
というツッコミは無粋でしょうか???

それはさておき。

前々回のエントリでもちらっと触れましたが、
こうなってくると「シングル」とか「発売日」とか、
どういう観点で語ればいいのかわからなく
なってきますね。
実際、アメリカではパッケージのシングルCD
なんて、まず存在しなくなっているし。

では、「ビギナー」はスピッツの37枚目のシングルか?
現時点でそうは呼んでいない。
第一「枚」って数えられないし。

日本ではオリコン・チャートがパッケージの集計を
順位の基準にしており、配信は別チャート。
なので、先日のAKB48の総選挙みたいなことが
あり、ファンが複数枚購入したくなるような
システムを導入すると、チャート的には非常に
有利になる。

ビルボードのように、ラジオ・オンエアとかも含めた
総合の「トラック」としてのチャートにすれば、
「ヒット感」とチャートの関係は改善されるのだろうが、
簡単にはいかないんだろう。
オリコンもトラック・チャートの試みは進めていたが、
定着はしなかった。

あと、日本ではラジオと「ヒット感」は現状あまり
寄り添っていない場合が多いので、また別の基準が
必要かもしれない。

なんかとりとめもなくなってきたので今日のところは
この辺にしておきます。
明日9日の深夜12時から、下北沢のmona recordsで
こんなイヴェントがあるので、フラっと立ち寄って
こようと思います。
なんか今後のヒントがあるかも。

いや、なくてもいいんだけど、
いろいろ考えることは楽しいから。




2010年7月7日水曜日

Joe Meek On My Mind


とってもびっくりした。
ヘッドフォンから流れてきたのは紛れもなく
RGMサウンドだったから。
僕は今年リリースしたばかりの女性シンガーの
アルバムを聴いていたはずなのに。

という奇妙な体験をさっきしたばかり。
あまりに驚いて電車をひと駅乗り過ごしてしまった。

僕が聴いていたのはLissieというUSの女性シンガーの
『Catching A Tiger』というアルバム。
先月UKでリリースされたばかりの彼女の1stアルバムで、
UK総合チャートで22位初登場と健闘している。

そしてRGMサウンドというのは、UKの伝説的
インディペンデント・プロデューサーである
Joe Meekのフル・ネーム、Robert George Meek
の頭文字から取られた、彼の(60年代前半の)
サウンドを表す言葉。

問題なのはアルバム6曲目の「Stranger」という曲。
それまで、「あー、この娘いい声してんなー」なんて
暢気に聴いていたんだが、この曲のイントロが始まって
さあびっくり。
これなんだっけ?
あ、「Totem Pole」だ。
Peter Jay & The Jaywalkersの。
The Honeycombsのヴァージョンじゃなくて。
あとなんだろ?
Pamela Blueの「My Friends Bobby」も
入っているのかなー?

なんてことをボーっと考えていて乗り過ごしたわけです。

で、家に帰ってCDのブックレットを確かめると、ちゃんと
Peter Jayの楽曲をサンプリングしている旨、記されてました。
そして、作曲クレジットの一人に "Robert Meek" の名前も。

しかし、アルバムのその他の曲にジョー・ミークへの
愛を確認できる曲は見当たらない。
強いて云えば、4曲目「Bully」のマッドなパンニングあたりか?
ちなみに4曲目も6曲目も同じプロデューサーの仕業でして、
一体誰かと申しますと、Band of Horses(新作最高!)の
Bill Reynoldsなのでした。いやはや。

つまり、シンガーもプロデューサーもアメリカ人。
そんなチームがジョー・ミークをサンプリングした
曲をUKでリリースした、と。
これは一体なんなんだろう?

実は今日の昼間、Twitter上でジョー・ミーク談義を
した人と、リアルに話をしてきたばかりで、余計に
そのシンクロニシティに驚いている。
勝手に俺の中でキテるぞジョー。
ちなみにレミオロメンの新譜のタイトルは「立つんだジョー」
ミークとは全く関係ない(と思われます)。

話、戻して。

先日のCRTで話したことともカブるんですが、
映画『Telstar』が2008年に封切られ、UKでは
久々に?ジョー・ミークの名前がクローズ・アップされた。
その映画のエンディング・テーマを歌ったのが
当時デビューしたばかりのDuffy
曲はThe Driftersで有名なバカラックの「Please Stay」。
ダフィはジョーがプロデュースしたCryin' Shames
ヴァージョンを下敷きにカヴァーした。
映画自体は正直???だったんですが、この
エンディングは泣けた。いいカヴァーだった。

このDuffy sings Joe Meekとも云える事実が、
今回のLissieの暴挙!に繋がっている・・・のかも・・・?
これでは「推論」にもなっていないけどね。

それにつけても。

こうやってブログやTwitterにジョー・ミーク関連の
ことを書いてみても、日本では文献なり音源なりが
なかなか容易に入手できない環境にあるのが
非常にもどかしい。
ベーシックな評価すら出来上がっていないもんなー。

とりあえずとっても驚いたんで急遽のブログ更新。
イリーガルなリンクは貼らないので親切ではないかと
思いますが、ご興味をお持ちになったら
どうぞぜひともRGMの深い森へ・・・。

p.s.

ちなみに、僕が何故Lissieのアルバムを購入したか
というと、チャートインした事実があって、ちょっと調べたら
先のBill Reynoldsとか、Ed Harcourtらがプロデュースに
参加していることを知ったからです。
エドさん、大好きなんですよ。
ニュー・アルバムが出たばかりで、UK amazonに
オーダーしたんだけど、まだ届かない!
オフィシャルから頼み直そうかなあ・・・。