2016年6月14日火曜日
wilsonic works 63
6月9日の札幌ベッシーホールからスタートした、モノブライトの
レコ発ツアー、“Bright Ground Music 〜B.G.M〜 Tour。
このツアー会場限定で販売されるシングル「bonobonoする」に、
アルバムに続いて共同プロデュース、ディレクションで参加した。
レコーディング自体は、アルバム『Bright Ground Music』の
作業とほぼ地続きだった。レコーディングに関わったメンツも
基本的にアルバムと同じ。
ただ、この曲はタイトルでも類推できるように、この4月からスタートした
フジテレビのアニメ、『ぼのぼの』の主題歌として書き下ろされたもの。
海と森を舞台にした『ぼのぼの』の世界を描写するように、
基本的にアコースティックな楽器と声だけで構築された「bonobonoする」。
エレクトリック・ギターを中心としたモノブライトのいつものサウンドとは、
ひと味違う仕上がりとなっている。
ツアー会場に行ける向きは、ぜひともこのワンコインCDをご購入し、
新しいモノブライトの音世界をお楽しみいただければ、と願います。
このツアー、残るは15日(水)は大阪、梅田CLUB QUATTRO、
17日(金)はファイナルの東京、恵比寿LIQUIDROOM。
さて、ここで “ライヴ会場限定CD” に関して少し書いてみようと思う。
最近の若者(若者に限らずだけど)は、まずCDを買わない。
いや今の時代、CDとは言うまい。「音源」を買わない。
音楽を「買う」という行為をしない。
「音楽が好きです」という人も、YouTubeサーフィンをするくらい。
Apple MusicやAWA、LINE MUSICなどの有料会員だったらもう偉いレベル。
まあ、若いミュージシャン、バンドマンからして滅多にCD買わないしね。
CD買わないイコール、CDショップ、レコード屋に行かない、ということ。
だからいくら店頭でプッシュしていても、行かない人たちには一切届かない。
ライヴよく行く人でも、音源を買うという行為になかなか至らない。
音楽を買わない人を非難しているわけではない。
ただ時代がそうなっている、ということをちょっと悲しい思いで書いているだけ。
でも、ライヴ会場限定でCDを売っていたら?
これ、買う可能性高いと思うんですよ。
好きなアーティストのライヴに行って、その会場でしか
買えない音源があったら、買うでしょ。
好きなアーティストがライヴ会場でしか買えないCDを
リリースするなら、CD買いたいからライヴ行くでしょ。
初めて観たバンドのライヴがすげー良くて、しかも自分が
とてもいいと思った曲が会場限定のCDとして売られていたら、
そりゃ買うでしょ。
お金に余裕があればね。
そしてCDを再生するなりリッピングするなり出来る環境にあればね。
なんならCDというフォーマットじゃなくてもいいわけで、
それは今後の音楽の聴き方の主流に則れば良いだけのこと。
これからの(もっともっと音楽が売れなくなる)時代、
会場限定CDとか、ファンやファン予備軍に向ける売り方は有効だと思う。
あと、これからの(もっともっと音楽が売れなくなる)時代は、
大きな意味でパトロナイズが音楽を支えて行くと思われる。
会場限定CDは、そういった側面も持ち合わせるのではないか。
やり方によってはね。
いろんな意見が飛び交うクラウド・ファンディングも、僕は
やり方次第でいろんな可能性が見出せると思っている。
おっとこの調子で書き続けると止まらなくなる。
“音楽とパトロナイズ” に関しては、まだまだいろんなことを
考えなきゃいけないので、今日はこの辺にしときます。
またじっくり、改めて。
p.s.
アニメ『ぼのぼの』の原作である漫画『ぼのぼの』(いがらしみきお)は、
1986年の漫画雑誌連載スタート時から大好きな漫画だった。
30年経って好きな漫画のアニメ化、その主題歌に関われるなんて。
ちなみに、数年前谷澤智文くんから教えてもらった、いがらしみきおの
『羊の木』という漫画(原作:山上たつひこ)は衝撃だった。
『ぼのぼの』からは考えられない絵柄とストーリー。
個人的にここ数年でいちばんハマった漫画だった。
万人にオススメとは言えないけど・・・。