2012年8月14日火曜日
wilsonic works 22
前回のエントリのときはまだ制作途中だったが、
それから2ヶ月強、東京カランコロンのメジャー・デビュー・ミニアルバム、
『ゆらめき☆ロマンティック』が8月15日の発売日を迎える。
なんでもお盆休みの物流の都合とかで、通常は発売日前日に
店頭に商品が並ぶものだが、早いところでは昨日13日に
超フライング・ゲット出来る状態になっていた。
先ほど僕も、7階で大展開していただいている、タワー新宿にて
ゲットしてきたばかり。
このミニアルバム、男女ツイン・ヴォーカルを擁する彼らの、
女性ヴォーカルの「せんせい」をフィーチュアした楽曲を中心に
組まれた全5曲。
プロデュースに関わった自分が云うのもなんですが、
その密度たるや半端ないっす。
1曲目「泣き虫ファイター」は、元チャットモンチーの高橋久美子さんが
初めて他者に歌詞を提供したことも話題の超キャッチーな失恋?ソング。
せんせいのヴォーカル、今までとはひと味違う新しい表情が新鮮!
これまで全ての楽曲をいちろー及びメンバーだけで作ってきた彼らが、
なぜ高橋さんに作詞を依頼したのか、などが、高橋さんとの対談形式で
語られているナタリーの記事はこちら。
そして「泣き虫ファイター」のMVはこちら。
楽しい振り付けはなんとラッキィ池田さん!
2曲目「夏Part1」と3曲目「ウキウキエブリデイ」の作詞は、共にせんせい。
これまでほぼ全ての作詞を、男性ヴォーカル&ギターの
「いちろー」が手がけてきた東京カランコロンだが、
今回は作詞にヴォーカルにせんせい大フィーチュア。
いちろーの強くて印象的な詞に対し、せんせいの詞はMC等の
彼女のイメージと同様の、ふわふわしたドリーミーな世界観に溢れている。
4曲目にはアニメ「ちびまる子ちゃん」主題歌の、「うれしい予感」
(オリジナルは渡辺満里奈)のカヴァーを収録。
ご存知の方はご存知のように、僕は相当なナイアガラ・マニア
だったので、勘ぐられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
このセレクトは僕ではありません(笑)。
せんせいが「ちびまる子ちゃん」の大ファンだということで、
彼女がこの曲をピックアップしてきた、というのが真相。
オリジナルとは似ても似つかぬシューゲイザー的アレンジにより、
(といいながら根底に流れる共通するものはある)、
これはこれで相当面白いヴァージョンになったと思う。
5曲目「ララララ」はいちろーの作詞。
ヴォーカルもメインのラインを主にいちろーが歌っている。
彼の曲作りに対するスタンスが、彼らしい語り口で綴られている。
今回、彼の詞は5曲中この1曲だけだから、余計にいちろーの
キャラクターが浮き彫りになっているのかもしれない。
という内容。
最後まで聴くとまた最初から聴きたくなる、そんな5曲の流れ。
メジャー・デビューが決まり、どういうコンセプトで
リリースして行くのか、をコンセプチュアルに考え、
その戦略に沿って曲作りを始め、練り上げて行く。
その瞬間瞬間に立ち会って彼らを見続けてきているわけだが、
彼らがすごい速さで成長していることを実感するここ数ヶ月だった。
いろんなラッキーやミラクルを呼び込み、周りの人を
ぐいぐい巻き込んで行く勢いたるやもう。
アラフィフの僕にはとうてい真似できない反射神経と
吸収力、そして体力。感嘆ものです。
彼らのその急成長&努力が遺憾なく封じ込められた
『ゆらめき☆ロマンティック』。
ぜひとも手に取って、聴いてみてください。
なお、素晴らしいアートワークは、ゆずやSEKAI NO OWARI
などの作品で知られるファンタジスタ歌磨呂さん。
タニザワトモフミの『何重人格』も彼の仕事。
とにかくアイディアの宝庫。
今回のジャケット写真、アーティスト写真、これは合成では
ありません。どうやって撮ったのか推測するのもまた一興かと。
あと、東京カランコロンはCDも素晴らしいけどライヴがまた
すごくいいと評判なので、音が気に入った人はぜひとも
彼らのステージを体験してほしい。
9月12日に渋谷クアトロにてワンマンのチケット一般発売は8月18日より。
ソールドアウト必至なので、早めのゲットをお勧めします。
ワンマン含む今後のライヴの詳細はこちら。
そして。
僕は何より彼らの上昇志向、貪欲さが大好きで。
インタヴューなどを読んでみるとおわかりのように、
彼らは売れたいとためらいもなく云いきり、そのために
いろんなことにチャレンジしたい、テレビにもいっぱい
出たい、と云う。
だから彼らはメジャーに行き、さまざまな戦略を考え、
やりたいことやるべきことを具現化していく。
しっかりとした骨格の音楽を作った上で考える
戦略だから、決して間違わない。
実に頼もしい。
こうなったらもう、バカみたいに売れてもらわないと。
いやほんとに。
そのためのお手伝い、これからもしっかりやらせていただく所存。
あーもう、悪い予感のかけらもない。