以下、2012年の7月上旬に下書きして、そのまま放置していた
ブログを本日加筆訂正してアップします。
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前々回のエントリで、
「仕事が忙しくないときは昼間から映画観たり」
なんて書いたけど、
実は40年以上、映画には特に興味なかった。
子どもの頃、親に連れて行ってもらった記憶は
いくつかのゴジラ、ガメラ程度だろうか?
テレビで放映される映画はいくつか観て、
激しく揺さぶられたことがあったけど、
音楽のようにさらに深く探究したりすることはなかった。
あー、20代の頃ジョン・ヒューズものとかにちょっと
ハマりかけたことがあったけど、長続きはしなかったなー。
そんな僕がですよ、去年から週に1回は映画館で
映画を観る、ということを義務付けていて、
厳密にいうと週に1回は行けないこともあるんだけど
ほぼそのくらいのペース(もしくはそれ以上)で続けている。
きっかけはJon Brion。
彼が音楽を手掛ける一連の映画をDVD等で観て、
映画と音楽の密接な関わりに気付いたり、
ポール・トーマス・アンダーソンという監督の作品に
触れることにより、現代アメリカ映画の面白さに
気付き始めたりするわけだ。
で、ジョンが関わった映画は劇場で観るようにしよう、
と思って、『ハッカビーズ』とか観たりし始めたんだけど、
とどめは『脳内ニューヨーク』かな。
僕はこれが日本で公開されたとき、一週間で2回観た。
この映画で、映画の面白さと音楽の素晴らしさと、
フィリップ・シーモア・ホフマンという俳優に改めて唸り、
ミシェル・ウィリアムスという女優に惚れてしまうのだ。
それが2009年の11月。
翌2010年は、気になる映画があったら、
時間を見つけては映画館に足を運ぶ
ようになっていた。月に2本くらいの頻度かな?
で、2011年、前述のように週に1回は映画館に行こう、
という目標を立て、多分年間で60本くらいは観たと思う。
ベストは『アリス・クリードの失踪』かな。
ただ、その他何を観たかとかメモしなかったんであまり覚えていない。
なので、今年は3段階くらいで評価するメモも始めてみた。
そのメモによると、今年上半期に映画館で観た映画は、
全部で42本。月に平均7本。健闘しております。
その中で今のところのベストは、
今年に入って、2回観たのはこの映画だけ。
次点は『おとなのけんか』か『ヒミズ』か『ル・アーヴルの靴みがき』か?
『さあ帰ろう、ペダルをこいで』は、映画としては大作でもないし、
なんていうか、まあ地味なほうでしょう。
でもね、なんか最近こういう「家族」とか「無償の愛」
とかに弱いんですよ。
そして、時代や社会に翻弄される人々の、
どうしようもない運命、とか。
だから僕は『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』も
『きっとここが帰る場所』も好き。
あと、主演のミキ・マノイロヴィッチが本当に上手い
(昨年リヴァイヴァル上映された『アンダーグラウンド』で、
彼とエミール・クストリッツァ監督と、音楽家ゴラン・ブレゴヴィッチを知り、
これまた長い旅がスタートするのですが、それはまた別の機会に)。
でもですね。
やっぱ付け焼刃の映画ファンだから、まだまだ全然ダメ。
知識全然ないし、映画の観方よくわかってない。
『スターウォーズ』も『マトリックス』も観たことないし、
フェリーニもヒッチコックも黒澤も1作も体験しておりません。
これからひたすら修行だなー。
ただ、今は映画を観るのが純粋に楽しい。
まだまだすごい映画、面白い映画、恐ろしい映画が
いっぱい待ち構えているかと思うと、身震いする。
音楽にしても小説にしても、ひとりの人間が一生の
うちに体験出来る数は限られている。
だからこそその人なりの好みや指向があって、
それによる選択がまたその人を作っていく。
これまで触れてきた多くの音楽や文学によって今の僕が作られた。
そして、新たに僕の世界を構築するコンテンツとして、映画が加わった。
今までほぼ未体験だった映画の世界が、40代後半の男の視界に、
新しい色を着けてくれる。
要するに。
久々に音楽以外の趣味が出来たんで嬉しい、という、
ただそれだけの今回のブログでした。