2021年5月5日水曜日

music 2020

2020年の音楽リスナーとしての日々を時系列に。

<1月>
2019年夏にリリースされていたアイルランドのwhenyoungというバンドにハマる。
サウンドはちと好みから外れる部分もあるのだが、全曲何かしらフックの
あるメロディと、女声の高音の魅力に参った。
エリン・モランのソロ・プロジェクト、A Girl Called Eddyの2ndアルバムが
実に16年ぶりにリリースされて、しかもその内容が素晴らしいときたもんだ。
この名義では16年ぶりではあるけど、エリン嬢は2018年に男女デュオThe Last Detailの
メンバーとしてこれまた名盤をドロップしているので、久々感は少ない。
それにしても、The Last Detailの素晴らしさは専ら男性メンバーであるところの
Fuguことメディ・ザナドが担っているとばかり思っていたので、この2nd『Been Around』
の完成度には驚いた。
1月下旬はAndy Shaufの2nd『Neon Skyline』に首ったけ。彼の過去作含め、
毎日何回も聴いていた。

<2月>
初頭にはEthan Gruskaのこれまた2nd『En Grade』が。Phoebe Bridgersや
Blake Millsが参加したり、この界隈この人脈の切磋琢磨充実具合どうなの?
The Starsのベスト盤『LaGuardia』がとても良くて、過去のオリジナル・アルバムを
順に聴き直す。
Christopher Hollandの新作『Golden Hour』が2019年に出ていたことを知り、
慌てて購入。やっぱこの人はハズレがなくて、これまた過去作をまとめて聴く。
そしたらDiscogsで名盤『Brother Sun Sister Moon』の前に『hoopatasso』という
プロトタイプが出ていたことを知り、これも入手する。少し収録曲が違うのだ。

<3月>
Margot & The Nuclear So and So'sというバンドが前から好きだったが、
Richard Edwards以外のメンバーに関しては知識がなかった。
Heidi Lynne Gluckはベース&キーボードで、2000年代前半には
Juliana Hatfieldのバンド、Some Girlsのメンバーだった人。
彼女の2016年にリリースした唯一のソロ・アルバム『Pony Show』が
好みのど真ん中ストレートでびっくりして調べてみる。
同じく前から好きなLily & The Madeleineにも参加していたり、なんかいろいろやっている。
Some Girls含め、彼女が関わっている音源を片っぱしからチェック。
しかし、2016年以降の音源が見当たらないのが切ない。請う新作。
あと、Vulfpeck周辺のRyan Lerman『Noisy Feelings』、ブリストルの
SSW、Fenne Lily『On Hold』とかをよく聴いていた。

<4月>
最初の緊急事態宣言でステイ・ホームな日々、
音楽と読書とアマゾン・プライム(映画)で過ごした。
ロバート・ヒルバーン著『ポール・サイモン 音楽と人生を語る』(奥田祐士訳)を
読みながら、改めてポール・サイモンのソロ・キャリアをじっくり。
能地祐子さん作成のプレイリストも素晴らしく、充実の日々。
前にも何曲かチェックしていたThe Foreign Filmsを、ちゃんと認識。
カナダのビートルズなんて呼ばれてるThe NinesのメンバーでもあるBill Mojorosのユニット。
2020年に最新作『Ocean Moon』がリリースされたが、2018年のアナログ3枚組大作
『The Record Collector』がパッケージも内容もスゲー。
人生で初めてPink Floydの『The Wall』をちゃんと頭から最後まで聴いたステイ・ホーム。

<5月>
Hazel Englishの1stアルバム『Wake Up!』が素晴らしい。
Justin RaisenとBen H. Allenという二人のプロデューサーの曲が
交互に配置されていたり、全曲に共作者がいることが、
曲のヴァリエイションを豊かにしているようだ。
K. L. Mazlin(Kane Mazlin)というSSWを知り、彼の所属する
False Peak Recordsというオーストラリアのインディ・レーベルを知る。
Bandcampで購入したら、本人からサンキュー・メールが届き、
少しやりとりをした。やっぱB4やBB5、ゾンビーズあたりが好きだそうで。
レーベル・オーナーの Remy BoccalatteとMazlinのユニット、
Spring Skierとか、Mazlinが以前やっていたHungry Kids in Hungary、
Sans Parentsといったバンドの音もチェック。
ソロ名義はまだ3曲しか出ていないけど、肩の力の抜けたポップスたち。
アルバム、待ってます。

<6月>
Sondre Lercheの『Patience』とPhoebe Bridgersの『Punisher』を
飽きることなく交互に聴いていた。
The Explorers Clubがアルバム2枚を同時発売。
オリジナル曲の『The Explorers Club』とカヴァー曲の『To Sing and Be Born Again』。
オリジナル曲のほうを何回も聴いた。
Muzz、Emily Rockerts、Becca Mancari、Boniface、Jonathan Wilsonなどなど豊作。

<7月>
ネットでNicole Atkinsの「Captain」って曲にウットリしてしまい、
アルバム『Italian Ice』購入。過去作品も改めて聴き返してみて、
このSSWのユニークさを認識する。そして2007年の『Neptune City』が
いちばん好きだという結論。しかし「Captain」は曲として完璧。
Mr Ben and the Bensというバンドを知る。新作『Life Drawing』が
信頼のBella Unionからのリリースで、内容も最高だった。
過去作品を全て購入して、片っ端から聴きまくる。
カナダのCailey Thomasもこの月に発見。
8年で18曲しか発表していない寡作家。そして全て良い曲。

<8月>
2005年に出た1stアルバム『Fear Not Distant Lover』で好感を持った
Peasantというアーティストを久々に思い出し、最近リリース
してんのかな、と検索したら、2015年に死んでた。
持っているアルバムを聴き返し、死後にリリースされたアルバムを
オーダーする。
Hello Foeverの奇跡の1stアルバムと、The Lemon Twigsの
『Songs For The Geberal Public』に心躍る真夏の日々。
Whitneyのカヴァー集『Candid』は清涼剤。
このアルバムを聴いてからThe Roches再評価が俺内で進行中。

<9月>
ナッシュヴィルのSSW、Molly Pardenを知り、2011年のアルバムから
最新作までをチェックする。なんでこんなに良いメロディばかりなの?
エレファント6周辺は大好物なのに、今までNana Grizolを知らなかった。
知って即、全アルバムを購入。2008年1stから最高ですよ。
Dent Mayの『Late Checkout』はジャケットのアートワークも含め、
大好きなアルバム。ララミーンズ入ってる「Sea Salt & Caramel」最高!
魅惑のファルセット・ヴォイス、Holy Hiveもよく聴いた。

<10月>
愛するウェールズのバンド、El Goodo待望の4thアルバム『Zombie』が
またしても期待以上の内容で悶絶。しかも2枚目から3枚目は9年も
待たされたけど、今回は3年のインターヴァル。次もこのペースでお願いします!
The Coralは好きで全作品所有している(はず)なのだが、本体以外の
活動を全くチェックしていなかった。Paul Molloyのソロ作『The Fifth Dandelion』
がめっちゃ良いハーモニー・ポップ満載だったので、James Skellyのソロ、
Ian SkellyとPaul MolloyによるSerpent Powerなどをチェック。
あと、Photo Ops新作『Pure at Heart』がタイトルそのままのピュアな曲に
溢れていて何回も聴いた。
Another Michaelに注目。
Asheの「Save Myself」に出会う(この曲が2020年の俺ベスト・ソング)。
京平さんの訃報に愕然とするが、曲を聴いて追悼できたのは11月に入ってからだった。

<11月>
Steady Holidayの「Living Life」がグサグサと刺さって、何度もリピート。
過去作やDreさんが前にやっていたMiracle Daysの2013年のアルバムとかも掘る。
2016年の『Under The Influence』は当時買っていて、褒めているメモ発見。
すっかり忘れてた。
映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』に深く感銘を受け、
自分史上初のザ・バンド・ブーム到来。いやアルバムは全部持っていたんですよ。
でも、ちょっと自分の好みとは違うんじゃないか、と思っていた。
映画観て、ロビー・ロバートソン(奥方も)とメンバーのことが好きに
なって、敬遠していたロビーの自伝も購入して、読みながら
アルバムをじっくり聴き返す日々を送る。
いやー、いいバンドだわ。もっと早く気づけよ俺。

<12月>
Will BirchによるNick Loweの評伝『恋するふたり ニック・ロウの人生と音楽』を
読み始めて、Brinsley Schwarz〜ソロの作品を時系列に沿って聴いてみる。
ニック・ロウは結構揃えていると思っていたが、カタログの半分くらいしか
持っていないことが判明。この期にひと通り購入。
カナダのSSW、Haley Blaisの最新作『Below The Salt』が極上に良くて、
2014年以降の過去作品を辿る。2018年にプロデューサーが入って急激に
作品力が上がるのが手にとるようにわかる。この先が楽しみだ。
The Bird and the Beeの「You and I at Christmas Time」は今年のクリスマス・ソングの
チャンピオン! 収録アルバム『Put Up The Light』はSiaの2018年作
『Everyday is Christmas』に匹敵するくらい充実したホリデイ・アルバム。
Calexicoのホリデイ・アルバム『Seasonal Shift』は12月30日に届いた。





movie 2020

2020年の映画鑑賞についてまとめておく。

2020年、新旧洋邦合わせて867本の映画を観た(劇場にて)。
2019年が856本、2018年が898本。3年連続で800本超え。

2020年の4月中旬から5月いっぱい、東京都の緊急事態宣言下、
都内の映画館が営業停止となったことを考えると、異常な数字。
6月の映画館再開以降、例年以上のペースで映画を観ていたのだ。

ちなみに、ステイホームな4月〜5月の期間は、amazon primeや
DVD、Blu-rayなどで平均1日3本観ていた。
山田洋次作品をプラス松竹駆使して全作品鑑賞マラソンした。

以下、観て標準以上に面白いと思ったもの、印象深かったものを、
順位も本数制限も付けずに列挙する。
基本、初めて観た映画だけをピックアップ。既に鑑賞歴があって、
2020年に観てもやっぱり面白かった、というのは入れていない。
順番は、鑑賞順。

<外国映画新作>(104本より)
・パラサイト  半地下の家族(ポン・ジュノ)2019
・エクストリーム・ジョブ(イ・ビョンホン)2019
・フォード VS フェラーリ(ジェームズ・マンゴールド)2019
・リチャード・ジュエル(クリント・イーストウッド)2019
・テリー・ギリアムのドン・キホーテ(テリー・ギリアム)2018
・ミッドサマー(アリ・アスター)2019
・1917 命をかけた伝令(サム・メンデス)2019
・黒い司法 0%からの奇跡(デスティン・ダニエル・クレットン)2020
・レ・ミゼラブル(ラジ・リ)2019
・ジュディ 虹の彼方に(ルパート・グールド)2019
・ジョン・F・ドノヴァンの死と生(グザヴィエ・ドラン)2018
・ストーリー・オブ・マイライフ 私の若草物語(グレタ・ガーウィグ)2019
・ハリエット(ケイシー・レモンズ)2019
・コリーニ事件(マルコ・クロイツパイントナー)2019
・ドヴラートフ  レニングラードの作家たち(アレクセイ・ゲルマン・Jr)2018
・はちどり(キム・ボラ)2018
・在りし日の歌(ワン・シャオシュアイ)2019
・ペイン・アンド・グローリー(ペドロ・アルモドヴァル)2019
・15年後のラブソング(ジェシー・べレッツ)2018
・カセットテープ・ダイアリーズ(グリンダ・チャーダ)2019
・マルモイ ことばあつめ(オム・ユナ)2019
・透明人間(リー・ワネル)2020
・悪人伝(イ・ウォンテ)2019
・ポルトガル、夏の終わり(アイラ・サックス)2019
・幸せへのまわり道(マリエル・ヘラー)2019
・TENET テネット(クリストファー・ノーラン)2020
・メイキング・オブ・モータウン(ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー)2019
・異端の鳥(ヴァーツラフ・マルホウル)2019
・博士と狂人(P・B・シェムラン)2019
・シカゴ7裁判(アーロン・ソーキン)2020
・悪は存在せず(モハマド・ラスロス)2020
・ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(ダニエル・ロアー)2019
・ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(ロン・ハワード)2020
・燃ゆる女の肖像(セリーヌ・シアマ)2019
・バクラウ 地図から消された村(クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアノ・ドネルス)2019
・ハッピー・オールド・イヤー(ナワポン・タムロンラタナリット)2019
・ニューヨーク 親切なロシア料理店(ロネ・シェルフィグ)2019
・ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(ディーン・パリソット)2020
・また、あなたとブッククラブで(ビル・ホールダーマン)2018


<日本映画新作>(34本より)
・この世界の(さらにいくつもの)片隅に(片渕須直)2019
・音楽(岩井澤健治)2019
・ラストレター(岩井俊二)2020
・mellow(今泉力哉)2020
・his(今泉力哉)2020
・初恋(三池崇史)2019
・三島由紀夫 VS 東大全共闘 〜50年目の真実〜(豊島圭介)2020
・海辺の映画館 キネマの玉手箱(大林宣彦)2020
・スパイの妻(黒沢清)2020
・本気のしるし(深田晃司)2020
・ミッドナイト・スワン(内田英治)2020
・罪の声(土井裕泰)2020


<外国映画旧作>(221本より)
・生まれながらの悪女(ニコラス・レイ)1950
・拳銃貸します(フランク・タトル)1942
・冷たい水(オリヴィエ・アサイヤス)1994
・遅すぎた涙(バイロン・ハスキン)1949
・不審者(ジョゼフ・ロージー)1951
・8月の終わり、9月の初め(オリヴィエ・アサイヤス)1998
・夏時間の庭(オリヴィエ・アサイヤス)2008
・影なき殺人(エリア・カザン)1947
・血の婚礼(クロード・シャブロル)1973
・肉屋(クロード・シャブロル)1970
・汚れた手をした無実の人々(クロード・シャブロル)1975
・ほえる犬は噛まない(ポン・ジュノ)2000
・生恋死恋(ヴィクトル・シェストレム)1918
・イージーライダー(デニス・ホッパー)1969
・メッセンジャー・ボーイ(カレン・シャフナサーロフ)1986
・ルカじいさんと苗木(レゾ・チヘイーゼ)1973
・モスクワは涙を信じない(ウラジミール・メニショフ)1979
・タシケントはパンの町(シュフラト・アッパーソファー)1968
・戦火を越えて(レゾ・チヘイーゼ)1965
・秋のマラソン(ゲオルギー・ダネリヤ)1979
・新しい家族(イスクラ・バービッチ)1982
・絆(ニキータ・ミハルコフ)1983
・タッカー(フランシス・フォード・コッポラ)1988
・蜘蛛女のキス(エクトール・バベンコ)1985
・舞台恐怖症(アルフレッド・ヒッチコック)1950
・自由への闘い(ジャン・ルノワール)1943
・サハラ戦車隊(ゾルタン・コルダ)1943
・潜水艦轟沈す(マイケル・パウエル)1941
・崖(フェデリコ・フェリーニ)1955
・鬼戦車 T-34(ニキータ・クリーヒン、レオニード・メナケル)1965
・青春群像(フェデリコ・フェリーニ)1953
・ラインの監視(ハーマン・シュムリン)1943
・すぎ去りし日の・・・(クロード・ソーテ)1970
・レネットとミラベル/四つの冒険(エリック・ロメール)1987
・雀(ウィリアム・ボーダイン)1926
・バグダッドの盗賊(ラオール・ウォルシュ)1924
・最後の人(F・W・ムルナウ)1924
・サンライズ(F・W・ムルナウ)1927
・霊魂の不滅(ヴィクトル・シェストレム)1921
・暗黒街(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)1927
・花嫁人形(エルンスト・ルビッチ)1919
・つばさ(ウィリアム・A・ウェルマン)1927
・ヴァージン・スーサイズ(ソフィア・コッポラ)2000
・マックスとリリー(クロード・ソーテ)1991
・大頭脳(ジェラール・ウーリー)1969
・ムッシュとマドモワゼル(クロード・ジディ)1977
・ムクシン(ヤスミン・アフマド)2006
・D.I.(エリア・スレイマン)2002
・大盗賊(フィリップ・ド・ブロカ)1961
・家族の肖像(ルキノ・ヴィスコンティ)1974
・夕なぎ(クロード・ソーテ)1972
・うず潮(ジャン=ポール・ラプノー)1975
・マリアンの友だち(ジョージ・ロイ・ヒル)1964
・アメリカの恐怖(ラオール・ウォルシュ)1936
・沈黙は金(ルネ・クレール)1946
・襤褸と宝石(グレゴリー・ラ・カーヴァ)1936
・気まぐれ天使(ヘンリー・コスター)1947
・悪魔とミス・ジョーンズ(サム・ウッド)1941



<日本映画旧作>(508本より)
・生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言(森崎東)1985
・春の戯れ(山本嘉次郎)1949
・修羅(松本俊夫)1971
・陽のあたる坂道(西河克己)1967
・ニワトリはハダシだ(森崎東)2004
・手をつなぐ子等(稲垣浩)1948
・超高層のあけぼの(関川秀雄)1969
・忘れられた子等(稲垣浩)1949
・真夜中の顔(宇野重吉)1958
・台風騒動記(山本薩夫)1956
・柿の木のある家(古賀聖人)1955
・にっぽん泥棒物語(山本薩夫)1965
・つづり方兄妹(久松静児)1958
・海ッ子山ッ子(木村荘十二)1958
・明日をつくる少女(井上和男)1958
・大佛さまと子供たち(清水宏)1952
・傷だらけの山河(山本薩夫)1964
・やくざの墓場 くちなしの花(深作欣二)1976
・婚期(吉村公三郎)1961
・刺青(増村保造)1966
・小さい逃亡者(衣笠貞之助、エドワールド・ボチャロフ)1966
・恋とのれん(番匠義彰)1961
・石中先生行状記(成瀬巳喜男)1950
・柳生旅ごよみ 女難一刀流(松村昌治)1958
・銀座っ子物語(井上梅次)1961
・浪人八景(加藤泰)1958
・おしどり囃子(佐々木康)1956
・実は熟したり(田中重雄)1959
・がめつい奴(千葉泰樹)1960
・血斗水滸傳 怒涛の対決(佐々木康)1959
・独立愚連隊(岡本喜八)1959
・生きとし生けるもの(西河克己)1955
・もののけ姫(宮崎駿)1997
・適齢期三人娘(川島雄三)1951
・婚約三羽烏(島津保次郎)1937
・祇園の暗殺者(内出好吉)1962
・狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒涛篇(三隅研次)1974
・明日は月給日(川島雄三)1952
・あねといもうと(川頭義郎)1965
・新東京行進曲(川島雄三)1953
・抱かれた花嫁(番匠義彰)1957
・命美わし(大庭秀雄)1951
・獄門帳(大曽根辰保)1955
・この空の花 長岡花火物語(大林宣彦)2012
・大菩薩峠 第二部(内田吐夢)1958
・いも侍・蟹右ヱ門(松野宏軌)1964
・忍法破り 必殺(梅津明治郎)1964
・暴れん坊兄弟(沢島忠)1960
・家光と彦左と一心太助(沢島忠)1961
・ふんどし医者(稲垣浩)1960
・人間狩り(松尾昭典)1961
・あした(大林宣彦)1995
・総会屋錦城 勝負師とその娘(島耕二)1959
・八百万石に挑む男(中川信夫)1961
・めぐりあい(恩地日出夫)1968
・マークスの山(崔洋一)1995
・恋をするより得をしろ(春原政久)1961
・JA750機行方不明(山崎徳次郎)1959
・魚河岸帝国(並木鏡太郎)1952
・博奕打ち(小沢茂弘)1967
・博奕打ち 一匹竜(小沢茂弘)1967
・挽歌(河崎義祐)1976
・可愛い悪魔(大林宣彦)1982
・さらば愛しき大地(柳町光男)1982
・突然、嵐のように(山根茂之)1977
・あにいもうと(今井正)1976
・博奕打ち 不死身の勝負(小沢茂弘)1967
・誘拐(大川原孝夫)1997
・田園に死す(寺山修司)1974
・博奕打ち 殴り込み(小沢茂弘)1968
・東京夜話(豊田四郎)1961
・はるか、ノスタルジィ(大林宣彦)1993
・ロケーション(森崎東)1984
・東京の暴れん坊(斎藤武市)1960
・東京の孤独(井上梅次)1959
・風ふたび(豊田四郎)1952
・田舎刑事 第三話 まぼろしの特攻隊(森崎東)1979
・ラブ・レター(森崎東)1998
・藍より青く(森崎東)1973
・喜劇 女生きてます(森崎東)1971
・わが生涯のかゞやける日(吉村公三郎)1948
・大出世物語(阿部豊)1961

2020年1月5日日曜日

movie 2019


続いて2019年の映画鑑賞についてまとめておこう。
2019年、新旧洋邦合わせて856本の映画を観た(劇場にて)。
DVDとかAmazon Primeなどのサーヴィスでの鑑賞は、
多分50本とかその程度じゃないかな。
ちなみに、昨年2018年はちょっと多くて898本。
これが年間鑑賞数のピークなんじゃないかと思う。

ベストテンとか、ちゃんと順位をつけたほうが面白いとはわかっているけど、
結構忘れちゃっているものもあって、順位は無し。
分母が大きいものは本数も多くなる。本数を制限せず、自分の中で一定以上の
面白さ、ザワザワを覚えたものを全部挙げておく。
基本、初めて観た映画だけをピックアップ。既に鑑賞歴があって、
2019年に観てもやっぱり面白かった、というのは入れていない。
順番は、鑑賞順。

<外国映画新作>
・パッドマン 5億人の女性を救った男(R. バールキ)2018
・ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(ダニー・ストロング)2017
・メリー・ポピンズ・リターンズ(ロブ・マーシャル)2018
・女王陛下のお気に入り(ヨルゴス・ランティモス)2018
・バーニング 劇場版(イ・チャンドン)2018
・バジュランギおじさんと小さな迷子(カビール・カーン)2015
・金子文子と朴烈(イ・ジュンイク)2017
・家へ帰ろう(パブロ・ソラルス)2017
・ノーザン・ソウル(エレイン・コンスタンティン)2014
・あなたはまだ帰ってこない(エマニュエル・フィンケル)2017
・グリーン・ブック(ピーター・ファレリー)2018
・天国でまた会おう(アルベール・デュポンテル)2017
・運び屋(クリント・イーストウッド)2018
・ROMA / ローマ(アルフォンソ・キュアロン)2018
・ブラック・クランズマン(スパイク・リー)2018
・記者たち 衝撃と畏怖の真実(ロブ・ライナー)2017
・希望の灯り(トーマス・ステューバー)2018
・芳華 -YOUTH-(フォン・シャオガン)2017
・僕たちのラスト・ステージ(ジョン・S・ベアード)2018
・主戦場(ミキ・デザキ)2018
・RBG 最強の85才(ベッツィ・ウエスト、ジェリー・コーエン)2018
・7月の物語(ギヨーム・ブラック)2017
・ハウス・ジャック・ビルト(ラース・フォン・トリアー)2018
・ハッピー・デス・デイ(クリストファー・ランドン)2017
・COLD WAR あの歌、2つの心(パペウ・パブリコフスキ)2018
・ワイルド・ライフ(ポール・ダノ)2018
・さらば愛しきアウトロー(デヴィッド・ロウリー)2018
・存在のない子供たち(ナディーン・ラバキー)2018
・グッド・ヴァイブレーションズ(リサ・バロス・ディーサ、グレン・レイバーン)2012
・工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男(コン・ジョンビン)2018
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ)2019
・アス(ジョーダン・ピール)2019
・ブラインド・スポッティング(カルロス・ロペス・エストラーダ)2018
・ジョーカー(トッド・フィリップス)2019
・ガーンジー島の読書会の秘密(マイク・ニューウェル)2018
・ホテル・ムンバイ(アンソニー・マラス)2018
・15ミニッツ・ウォー(フレッド・グリヴォワ)2019
・アダムズ・アップル(アナス・トーマス・イェンセン)2005
・アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ)2019
・ドクター・スリープ(マイク・フラナガン)2019
・マリッジ・ストーリー(ノア・バームバック)2019
・パリの恋人たち(ルイ・ガレル)2018
・家族を想うとき(ケン・ローチ)2019

<日本映画新作>
・七つの会議(福澤克雄)2019
・21世紀の女の子(山戸結希他)2019
・洗骨(照屋年之)2018
・あの日々の話(玉田真也)2018
・青の帰り道(藤井道人)2018
・長いお別れ(中野量太)2019
・嵐電(鈴木卓爾)2019
・新聞記者(藤井道人)2019
・天気の子(新海誠)2019
・真実(是枝裕和)2019

※『愛がなんだ』(今泉力哉)は今年公開の邦画新作ではダントツに好きなのだが、
2018年11月の東京国際映画祭で既に観ているので、2019年の作品には入れられず。
2019年に公開された後も劇場で観ましたけどね。最高です。

<外国映画旧作>
・アスファルト・ジャングル(ジョン・ヒューストン)1950
・その女を殺せ(リチャード・フライシャー)1952
・天使の顔(オットー・プレミンジャー)1953
・日の名残り(ジェームズ・アイヴォリー)1995
・メキシコ万歳(セルゲイ・エイゼンシュタイン、グレゴーリー・アレクサンドロフ)1931/1979
・愛の島ゴトー(ヴァレリアン・ボロフチク)1968
・狐の王子(ヘンリー・キング)1949
・離愁(アーヴィング・ピシェル)1946
・偉大なるアンバーソン家の人々(オーソン・ウェルズ)1942
・狼たちの午後(シドニー・ルメット)1975
・ペパーミント・キャンディ(イ・チャンドン)2000
・ドゥ・ザ・ライト・シング(スパイク・リー)1989
・カメラを持った男(ジガ・ヴェルトフ)1929
・私はモスクワを歩く(ゲオルギー・ダネリヤ)1963
・君たちのことは忘れない(グリゴーリ・チュフライ)1978
・青い山 本当らしくない本当の話(エリダル・シェンゲラーヤ)1984
・マンハッタンの二人の男(ジャン=ピエール・メルヴィル)1958
・お家に帰りたい(アラン・レネ)1989
・ぼくのちいさな恋人たち(ジャン・ユスターシュ)1974
・奇傑パンチョ(ジャック・コンウェイ)1934
・六つの心(アラン・レネ)2006
・人生模様(ヘンリー・コスター他)1952
・リラの門(ルネ・クレール)1957
・冬の旅(アニエス・ヴァルダ)1985
・明日はない(マックス・オフュルス)1939
・第十七捕虜収容所(ビリー・ワイルダー)1953
・夢を見ましょう(サッシャ・ギトリ)1936
・熱砂の秘密(ビリー・ワイルダー)1943
・五本の指(ジョゼフ・L・マンキーウィッツ)1952
・鱒(ジョゼフ・ロージー)1982
・百萬弗貰ったら(エルンスト・ルビッチ)1932
・ミッドナイト(ミッチェル・ライゼン)1939
・ハロルド・ディドルボックの罪(プレストン・スタージェス)1947
・殺人者にスポットライト(ジョルジュ・フランジュ)1961
・幽霊と未亡人(ジョゼフ・L・マンキーウィッツ)1947
・地獄の英雄(ビリー・ワイルダー)1951
・私たちは一緒に年をとることはない(モーリス・ピアラ)1972
・他人の家(ジョゼフ・L・マンキーウィッツ)1949
・ルル(モーリス・ピアラ)1980
・パームビーチ・ストーリー(プレストン・スタージェス)1942
・バシュフル盆地のブロンド美人(プレストン・スタージェス)1949
・サリヴァンの旅(プレストン・スタージェス)1941
・第七天国(フランク・ボーゼージ)1927
・野人の勇(ジャック・フォード)1920
・熱帯魚(チャン・ユーシュン)1995
・ハワーズ・エンド(ジェームズ・アイヴォリー)1992
・メトロポリス(フリッツ・ラング)1927
・野獣死すべし(クロード・シャブロル)1969
・幸運の星(フランク・ボーゼージ)1929
・サタンタンゴ(タル・ベーラ)1994
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト(セルジオ・レオーネ)1968
・スティング(ジョージ・ロイ・ヒル)1973
・地上より永遠に(フレッド・ジンネマン)1953
・裸の町(ジュールズ・ダッシン)1948
・コンチネンタル(マーク・サンドリッチ)1934
・ウィリーが凱旋するとき(ジョン・フォード)1950
・踊らん哉(マーク・サンドリッチ)1937
・土曜は貴方に(リチャード・ソープ)1950
・尋問(リシャルト・ブガイスキ)1982/1991
・少年と自転車(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ)2011
・下女(キム・ギヨン)1960
・誤発弾(ユ・ヒョンモク)1961
・真昼の暴動(ジュールズ・ダッシン)1947
・長距離ランナーの孤独(トニー・リチャードソン)1962
・明日に別れの接吻を(ゴードン・ダグラス)1950
・ビッグ・コンボ(ジョゼフ・H・ルイス)1955
・邪魔者は殺せ(キャロル・リード)1947
・都会の叫び(ロバート・シオドマク)1949
・私の名前はジュリア・ロス(ジョゼフ・H・ルイス)1945
・ラ・ポワント・クールト(アニエス・ヴァルダ)1954


<日本映画旧作>
・暗黒街全滅作戦(福田純)1965
・東京湾 左ききの狙撃手(野村芳太郎)1962
・殿さま弥次㐂多(沢島忠)1959
・影の爪(貞永方久)1972
・恐怖の逃亡(マキノ雅弘)1956
・四万人の目撃者(堀内真直)1960
・天才詐欺師物語 狸の花道(山本嘉次郎)1964
・野獣の門(古川卓巳)1961
・狐と狸(千葉泰樹)1959
・死者との結婚(高橋治)1960
・裸の大将(堀川弘通)1958
・白と黒(堀川弘通)1963
・ぼんち(市川崑)1960
・藤十郎の恋(森一生)1955
・頑張れ! 盤獄(松林宗惠)1960
・女系家族(三隅研次)1963
・廣場の孤獨(佐分利信)1953
・お吟さま(田中絹代)1962
・嫁ぐ今宵に(斎藤達雄)1953
・祈るひと(滝沢英輔)1959
・風のある道(西河克己)1959
・殿さま弥次㐂多 怪談道中(沢島忠)1958
・風流温泉日記(松林宗惠)1958
・いのちの朝(阿部豊)1961
・水戸黄門(佐々木康)1957
・青年の椅子(西河克己)1962
・箱根山(川島雄三)1962
・若き日の次郎長 東海の顔役(マキノ雅弘)1960
・天使も夢を見る(川島雄三)1951
・一心太助 男の中の男一匹(沢島忠)1959
・弥太郎笠(マキノ雅弘)1960
・反逆兒(伊藤大輔)1961
・上海バンスキング(深作欣二)1984
・北陸代理戦争(深作欣二)1977
・血槍富士(内田吐夢)1955
・妖刀物語 花の吉原百人斬り(内田吐夢)1960
・八甲田山(森谷司郎)1977
・水のないプール(若松孝二)1982
・夜の波紋(内川清一郎)1958
・女舞(大庭秀雄)1961
・風前の灯(木下恵介)1957
・牝(渡邊祐介)1964
・約束(斎藤耕一)1972
・雨のアムステルダム(蔵原惟繕)1975
・色ざんげ(阿部豊)1956
・黒の奔流(渡邊祐介)1972
・警視庁物語 15才の女(島津昇一)1961
・四季の愛欲(中平康)1958
・大誘拐(岡本喜八)1991
・美しき抵抗(森永健次郎)1960
・にっぽん昆虫記(今村昌平)1963
・女たちの庭(野村芳太郎)1967
・大番頭小番頭(鈴木英夫)1955
・薔薇大名(池広一夫)1960
・殺陣師段平(マキノ正博)1950
・晴子の応援団長(酒井欣也)1962
・マタギ(後藤俊夫)1982
・愛と希望の街(大島渚)1959
・東京裁判(小林正樹)1983
・どろ犬(佐伯孚治)1964
・青春残酷物語(大島渚)1960
・武器なき斗い(山本薩夫)1960
・豚と軍艦(今村昌平)1961
・續 大番・風雲篇(千葉泰樹)1957
・あかね雲(篠田正浩)1967
・流血の記録 砂川(編集:亀井文夫)1957
・恋の鷹援團長(井上梅次)1952
・スクラップ集団(田坂具隆)1968
・自由学校(渋谷実)1951
・やっさもっさ(渋谷実)1953
・春の夢(木下恵介)1960
・傷だらけの天使 第4話「港町に男涙のブルースを」(神代辰巳)1974
・櫛の火(神代辰巳)1975
・波浮の港(斎藤武市)1963
・恋文(神代辰巳)1985
・若い恋人たち(千葉泰樹)1959
・結婚行進曲(市川崑)1951
・憎いあンちくしょう(蔵原惟繕)1962
・とんかつ大将(川島雄三)1952
・泣いて笑った花嫁(番匠義彰)1962
・芝居道(成瀬巳喜男)1944
・東京オリンピック(市川崑)1965
・ジャズ・オン・パレード 1956年 裏町のお轉婆娘(井上梅次)1956
・異常性愛記録 ハレンチ(石井輝男)1969
・ヘアピン・サーカス(西村潔)1972

music 2019


僕は、たくさんの音楽を聴き、尋常ではない数の映画を観て、
そこそこ本を読み、芝居や絵画展にもときどき足を運ぶ。

それらの行動を「インプット」と呼ぶ方がいるけど、その考え方、
ちょっとさもしいし悲しく感じる。無理に詰め込んでるわけじゃない。
じゃあ、なんですか?と問われたときに、とっさに出たのが
「自由研究」というワードだった。
毎日自由研究しているようなもんだ、確かに。

こういう態度は、僕が大瀧詠一さんにとても影響されているせいなのかもしれない。
自由研究はするんだけど、研究発表が目的ではない、という側面も含めて。

何かを観たり聴いたりしたら、その度に雑感をメモする。
そうしないとすぐ忘れてしまうから。
でも、膨大な数の映画や音楽の感想をメモしていると、
それだけで僕の1日は終わってしまう。
だから、ツイッターもあまり書き込まなくなったし、このブログなんて
2年くらい放置されている。

でもただメモ書いてそのままだと、本当に忘れてしまう50代後半の脳味噌。
忘れないように、1年に1回くらいメモを読み返して自分を振り返ってみようかと。
2019年、どんなことにワクワクしたのか、自分で書いたメモを元に思い出してみよう。

サブスクリプション・サーヴィスを筆頭に、フィジカルを購入することなく、
合法的に音楽を楽しめる環境が整ってきて、僕もそれらの恩恵を受けている。
でも僕の音楽鑑賞は、今だに「音楽を購入する」ことが基本。
2019年はアルバムにして800枚くらい購入した。
所有しない音源でサブスクなどで聴いたのは、100枚に満たないと思う。
そんな2019年、wilsonic竹内はどんな音楽に注目し、誰を調べていたのか、
を時系列で。

<1月>
昨年12月に購入したBrandi Carlileの『by the way, I forgive you』が
とんでもなく良くて(アルバム・タイトルもね)、それまで1枚くらいしか
持っていなかった彼女のアルバムを、全種類集める勢いで追いかける。
韓国のSay Sue MeとオランダのYorick Van Nordenを初めて聴き、
ちょっとワクワクする。

<2月>
Andrew Combsの『5 Covers & a Song』という、その名の通り
カヴァー5曲とオリジナル1曲で構成されたアルバムをBandcampでDL。
1曲目のLoudon Wainwright IIIのカヴァー「4 × 10」がとんでもなく良くて、
オリジナルを聴いたらそこまで良くない。Andrew Combsを信用することにする。

<3月>
Hand HabitsとかYoung Doctors In Loveとか、Stella DonnellyとかWestkust
とか、女性ヴォーカルものが充実していて毎日楽しかった。
Westkustって、全部スピッツの2nd『名前をつけてやる』みたい。
Tredici BacciっていうNYのオーケストラル・ポップを奏でるバンド?の
『La Fine Del Futuro』はバカラック好きを刺激する内容だった。

<4月>
American Footballの3rdアルバムを聴き、あまりの音の良さにビビる。
33回転1枚もののアナログを買ったのだが、45回転の12吋2枚組もあると知り、
慌てて購入。さらにヤバイ音にのけぞる。
ついでにちゃんと聴いていなかった1stと2ndも購入。
2019年の個人ベスト、Weyes Blood『Titanic Rising』に耽溺。
Rayland Baxterに気づいたのもこの月だった。

<5月>
なんとなく購入したDevotchkaの2018年のアルバム『This Night Falls Forever』が
フツーのロックでは鳴らないような楽器が予想外で気持ちよく、旧作を集めまくる。
Molly Tuttleの『When You're Ready』が好きで何度も聴いていたのもこの頃。

<6月>
I Was A Kingというノルウェイのバンドの新作『Slow Century』(プロデュースは
TFCのNorman Blake)を聴き、とっても好みだったので旧作を集めまくる。
デビューからずっと好きなKishi Bashiの新作『Omoiyari』の1曲目に悶絶。
森山直太朗バンドのヴァイオリン、須原杏さんに「Kishi Bashi聴きました?」って
訊ねたら「大好き!」って返ってきたの最高。
忘れちゃいけないOhtis『Curve of Earth』。

<7月>
Phil Wainmanという、70年代から80年代にかけて活躍したUKのプロデューサーに
急に興味を持ち、音源を集めてみる。SweetやBay City Rollers、Mudなどで
知られる彼だが、Boomtown Ratsの「I Don't Like Mondays」や
XTC「Ten Feet Tall」もプロデュース作品と知ると、気になっちゃって。

<8月>
プロデュースにEthan Gruskaが関わっているということで購入した
Bad Booksの3rdアルバム『III』、収録されている曲がことごとく良くて、
一体どういうことだと慌てふためく。
Kevin DevineというSSWと、Manchester OrchestraというバンドのAndy Hullが
首謀者だと知り、とりあえずBad Booksの旧作と、Kevin Devineのこれまでの
作品とManchester Orchestraのカタログを発注。
どうやら俺の好みはKevin Devineの作風のようで、彼の更に過去のバンド、
Miracle of 86の作品なども取り寄せる。

<9月>
引き続きKevin Devine関連作品を調べては聴き続ける日々。
Pernice Brothers、Chris Von Sneidernらの久々の新譜に喜ぶ。
元Oranjulyの人がやっているParksというユニットの『Parks』が
めっちゃポップでこれも嬉しい帰還。
今回もジャケが酷いAlex Cameron『Miami Memory』(タイトルもどうなの?)、
内容は前作同様素晴らしくて安心。2019年、Jonathan Radoのプロデュース作品、
充実しまくり。

<10月>
Big Thiefの今年2枚目のアルバム『Two Hands』のレアな音作り、手触りに感動。
Angel Olsenの『All Mirrors』におけるJherek Bischoffのアレンジに惚れぼれ。
Clairo待望のアルバム『Immunity』の完璧さはどうだ。ロスタムのプロデュース、
半数の曲をShawn Everettがミックス、Daniel Haimも参加。嫌いなわけがない。
と、やはり女性ヴォーカルものに充実作多し。

<11月>
Jeff Lynne's ELO『From Out Of Nowhere』の、変わらぬ豊潤なメロディにため息。
Young Guvの『I & II』のポップな衝撃は、Lemon Twigsの登場時の感動に匹敵。
昨年末にとんでもない傑作アルバムをリリースしたThe Last Detailの
リカット7inch「Places」が嬉しい。超絶傑作シャッフル木漏れ日ポップにして
ロジャニコ的転調をかます名曲!

<12月>
Tower渋谷で面出しされていたCity and Colourの『A Pill For Loneliness』を、
なんの期待もなく聴いていると、めっちゃ好みだということが判明。
10年以上前に1枚買ったことがあり、それ以来全然気にしていなかった自分を責める。
カナダでは出せば1位の圧倒的な存在感。例によって旧譜を集めまくる。
自分の10年前くらいのTwitterを読み返すのが楽しくて、最近すっかり忘れていた
June & The Exit Woundsとか、Kevin TihistaとかThe Grapes of Wrathとか
聴き返してみる。あぁ俺は好みが全然変わらないなあ、と改めて。

駆け足だけど、こんな音楽生活を送ってきたのだな。
自分用メモなのでリンクとか貼りません。

2017年7月23日日曜日

wilsonic works 73


今年に入って、2月に1回ブログを書いただけで、ずっと放置していた。
反省して、これからはもう少しコンスタントにブログを更新しようと思った。

あと、前にも書いたことだけど改めて。
ここ数年、自分の仕事報告だけに終始しているが、本来は
自分自身の備忘録として気に入った音楽や書籍や映画や人物などの
ことを書いていたので、そういう形に少し軌道修正もしたい。

とはいえ。
2017年も折り返したところで、2月のウルトラタワーのアルバム以降、
世に出た自分に関係のある音源などに関してまとめます。
で、まずはこれ。


Official髭男dism『レポート』(4月19日発売)

このアルバムに収録されている7曲のうち、僕が関わっているのは2曲。
「異端なスター」と「イコール」という曲だ。
この2曲は2016年にレコーディングされ、発表の機会を待っていたものだ。
「異端なスター」はライヴで披露される中、レコーディングしたものから
一部歌詞が変更となった。
発表するなら歌を録り直さねばならない。
ということで、アルバムの他の曲でタッグを組んでいるエンジニアの
井上うにさんと録り直し、ミックスもやり直すことになった。

なので、「異端なスター」は半分だけディレクター、
「イコール」は100%ディレクター、ということになる。

しかしOfficial髭男dism、曲も演奏もどんどん進化しているなー。
最新デジタル・シングル「Tell Me Baby / ブラザーズ」が7月21日に
リリースされたばかり→SpotifyApple MusicLINE MUSIC

音楽をいっぱい聴いて、バンド内外のミュージシャンから刺激を受け、
自分たちの音楽に還元していく。
何よりも、放たれる音から、音楽をする歓びが溢れているのがいい。
すげーことやっているのに、小難しく聴こえず、あくまでもポップ。
彼らには “バンドによるエンタテインメント” を極めてほしいと、心から思う。




2017年2月10日金曜日

wilsonic works 72


 今週2月8日、ウルトラタワーの新しいミニ・アルバム『灯火』が発売となった。
メジャー・デビュー以来、ずっと一緒にレコーディングしている彼ら、
今回も全面的にプロデュースに関わらせてもらった。

『灯火』、ウルトラタワーの最高傑作なんじゃないかと思う。
曲作りにじっくりと時間をかけることが出来、曲によっては
ライヴで曲を育てることも出来たことが功を奏している。
また、これまで作詞はギターの寺内、作曲はヴォーカル&ギターの大濱という
分業制を貫いてきた彼らだが、今回は1曲だけだが大濱が作詞している。
こういう新たな試みも、バンド内に刺激を与えているのだろう。

エンジニアはこれまたメジャー・デビューからずっとお世話になっている
mixmix佐藤雅彦、ドラムテックは前作に引き続き藤井寿光
気心知れたスタッフとの作業はスムーズ且つクリエイティヴ。
マンネリにならず、常に新しい視点や考え方を示してくれる
スタッフは、バンドにとって本当に心強いもの。
いろんな人と関わってみるのもいいけど、信頼出来るスタッフと
長く仕事を続けられるのもまた幸せなことだと思います最近特に。

昨年先行DLシングルとしてリリースされた『ファンファーレが聴こえる』
のMVはこちら。
3月にはリリース・ツアーもあります。
これは見逃さないほうがいいと思いますよ。

今回僕はアートワーク周りには関わっていないんだけど、アーティスト写真は
前回に引き続き中野敬久。中野さんはスピッツ『醒めない』タイミングの
写真もやってもらっている。
今の日本のフォトグラファーでいちばん信頼しているかもしれない。
いつも最高。


p.s.
今年に入って最初のブログ更新で、前回から3ヶ月以上開いてしまった。
なんかブログの書き方忘れちゃった。
最近はツイッターもRTしかしないしなー。
でも、書きたいことはいっぱいある。

今年の目標。
仕事と関係ない音楽や映画、書籍や日々考えていることなどを、
出来るだけブログに書く。
このブログ、始めた当初はそういう感じだったのに、ここ3年くらい、
自分の仕事のことしか書かない状態になっているからね。
ということで、今年はいろいろ書こうと思います。
ときどきチェックしてみてください。

2016年10月20日木曜日

wilsonic works 71


モノブライトのキャリア初となるセルフ・カヴァー・アルバム『VerSus』
10月12日にリリースされた。
今年4月のアルバム『Bright Ground Music』に続き、ディレクター及び
共同プロデュースで関わった。

デビューから10年という節目に、彼らがこれまで発表してきた楽曲が、
ライヴを経てどんな進化をしてきたか、を記録することを基本に
スタートしたこの企画。
僕は、カヴァーされた楽曲のオリジナル・レコーディングに立ち会っていない、
という自分の立場、立ち位置を逆手に取り、新鮮な耳で楽曲を聴き、
新しいアレンジの提言などさせてもらった。

オリジナルの枠組みを壊すことなく、そこに最新型のモノブライトを注入した、
現在の彼らの勢いとスキルが反映されたアルバムになっている。
収録曲「DANCING BABE」のMVはこちら

レコーディング・メンバーはドラムスにケンスケアオキ(SISTER JET)、
キーボードに村上奈津子(WONDERVER)という、最近のライヴでも
お馴染みの2人と、モノブライトの3人。

この5人によるレコ発ツアーが本日20日からスタートする。
題して “Bright VerSus Tour” 。
その名の通り、全国5箇所を対バン形式で回るという趣向。
詳細はこちらを参照のほど。

実は音楽制作に携わって今年で27年目にもなるが、こういった
セルフ・カヴァー・アルバムに関わったのは今回が初めて。

平沢進さんやスピッツで、単曲のリ・レコーディングなどはあったけど。

ここ最近日本ではちょっとセルフ・カヴァーが流行しているのかな。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのこれとか、175Rのこれとか。

アーティストによってセルフ・カヴァーに向かう動機や理由は様々だろう。
リリースから年月を経て、初出のときとは違うアプローチがしたい、とか、
技術やテクノロジーが進化した故に今ならこんなことが出来る、とか、
単純にオリジナル・ヴァージョンに不満があった、とか。

そして、受け取るファンも反応はそれぞれだと思う。
オリジナルがいちばん好き!という人もいれば、
新しく生まれ変わった音にワクワクさせられることもある。

以下、ちょっと個人的なことも含めて。

この種のいわゆるセルフ・カヴァーもので、僕の人生の中で
いちばん多く聴いたアルバムは、恐らく大滝詠一『DEBUT』(1978年)。
僕は、ここに収録された曲のいくつかに、オリジナル以上の輝きを見出した。

ちなみに。
便宜上このブログでもその言葉を使っているけど、
“セルフ・カヴァー” という用語は、日本でのみ通じる和製英語というか和製ターム。
しかも、本来はソングライターとして他人に提供した曲を作家本人がレコーディング
することを “セルフ・カヴァー” と呼んだのが始まりではなかったか。

今年リリースされて大きな話題となった大滝詠一の『DEBUT AGAIN』は、
その、本来日本で「セルフ・カヴァー」と呼ばれたものを集めた作品集。
ラッツ&スターや松田聖子、小泉今日子らに提供した楽曲の、
大滝本人による歌唱を収録している。

いろいろ胸に去来するものがあって、このアルバムは3月のリリース以来、
まだ1回しか聴いていない。