2012年2月1日水曜日
wilsonic works 18
今日はスピッツのSPECIAL ALBUM『おるたな』の発売日。
SPECIAL ALBUMっていうのは、オリジナル・アルバムではない、
くらいの意味合いで、第1弾となる『花鳥風月』をリリースする
ときに考えた名称。今となってはちょっと安易過ぎたかなー、
とも思うけど、まあいいか、実際スペシャルだから、などと
自分に言い聞かせている。
『おるたな』は、その『花鳥風月』(1999年)、2004年の『色色衣』
に続く第3弾。
これまではシングルのカップリングを主体としていたものが、
今回はカップリング曲とカヴァー曲とで構成されている。
昨年末、TVドラマ『僕とスターの99日』主題歌に起用された
原田真二「タイム・トラベル」のカヴァーも、このアルバムで
ついに初ディスク化。
そして、初回封入特典。
前作まではメンバーの座談会を封入していたんだけど、
今回はなんと僕が書いた「制作ノート」というものが封入
されています。
実はスピッツって、これまでにいろーんなカヴァーをやって
きているんですよ、ということや、レコーディング時の
状況や曲にまつわるエピソードなどを書いています。
気になる方は初回盤をゲットして読んでみてください。
っていう告知だけじゃなんなんで、ここではそこには書かなかった、
とても印象に残っている、スピッツのカヴァー曲の話を。
時は1992年4月25日。
ミニ・アルバム『オーロラになれなかった人のために』発売日に
行われた、弦管を入れたスペシャルなコンサートが、いまはなき
有楽町よみうりホールにて行われた。
コンサート・タイトルは非常に長いんで書きたくないくらいだけど(笑)、
「オーロラになれなかった人のために “蜜柑色の満月のもとで、
まぼろしの物語を語ろう ~一夜限りの絵空事~”」
でした。長すぎる。
この日、コーラスの寺本りえ子さんと一緒にデュエットしたのが、
ベッツィ&クリスの名曲「花のように」。
デビュー曲「白い色は恋人の色」に続く第2弾シングル、
作詞作曲はデビュー曲に引き続き北山修、加藤和彦のコンビ。
これがねー、もう絶品だったんですよ。
オリジナルは姉妹だから両方女声なんだけど、
マサムネの声がうまーく寺本さんと混じって。
でも、お客さんには通じたのかなぁ?
デビュー2年目のロック・バンドの弦管入りスペシャル・コンサートで、
20年以上前のヒット曲を披露する、という構図。
「花のように」リリース時、スピッツのメンバーは2歳だから、
同年代の人間はまず知らない曲。
実にチャレンジングな試み。
「ロビンソン」で大ブレイクする3年も前、そんな無茶な選曲をして、
アイデンティティを模索していた、ということなんだろうな。
といったこととかいろいろ思い出しながら書いた
『おるたな』の「制作ノート」、お楽しみいただけたら幸いです。
あ、初回盤は3面デジパック仕様で冬野さほさんのイラストが
ぐっと映える作りとなっていますので、お早めにどうぞ。
と、こんなところで2012年初のブログを終わりたいと思います。
p.s.
もひとつ思い出した。
1992年4月25日のよみうりホール、
発売日なので『オーロラになれなかった人のために』
即売の陳列をしようと商品を取り出したところ、
僕と販促担当の人間は蒼ざめた。
なんと、ブックレットの表1と表4が逆になってセットアップ
されていたのだ。
つまり、表1が “9分割の写真” ではなく、“手のひらの上に洋梨”
という状態。
2週間前に上がっていたサンプル盤では正しく入っていたのに!
その後のバタバタはよく覚えていない。
その日の即売は取りやめたのかすらも。
全国に出回った商品は出来る限り回収&交換したが、
当然全部を回収できるはずもない。
その時ブックレットが反対に入ったCDを購入し、
シュリンクしたまま持っている方がいたら、
それは相当にレアなものです(笑)。
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