2010年12月18日土曜日

wilsonic works 9: Rainy Day In December


初めてはっぴいえんどというバンドの存在を知ったのが、
確か中1くらいだと思う。
云っておくけどリアルタイムじゃない。
僕が中学1年生っていうことは、1975~6年あたり。
はっぴいえんどの解散コンサートは1973年ですからね。

友人のお兄さんから借りた、中津川フォークジャンボリー
のアルバム。
ライヴ・ヴァージョンの「12月の雨の日」をここで
初めて聴いた。

小学校高学年の時から日本のフォークに目覚め、
当時社会現象になっていた井上陽水、
解散したばかりのかぐや姫などを皮切りに、
中学校に入ってからは、学校の先輩や同級生の
お兄さんやお姉さんらからLPを借りて、
吉田拓郎の作品を遡って聴くなど、
どんどんのめり込んで行った。

ちなみに当時の同級生、女子は松山千春、
男子はアリスとか、そんな時代。

そんなさ中に、はっぴいえんどと出会った。
第一印象は、「なんか辛気臭いなー」だった。

僕が当時大好きだったのは、加川良と高田渡。
岡林信康もいくつか好きなものがあったかな。
後から考えたら全部はっぴいえんどがバッキングで
関わっている人たちだけど、
僕ははっぴいえんど自体には全く興味がわかなかった。

はっぴいえんどの音を本腰入れて聴くようになった
のは、1981年に大滝詠一の『A Long Vacation』
がリリースされて以降。
竹内、既に高校2年になっておりました。
それからはしっかり聴きこみましたよー。
中学校の時からちゃんと聴いておけばよかった、と
後悔しながら・・・。

まさか1985年、はっぴいえんどの再結成を目にする
ことになろうとは、当時は思いもよりませんでしたねー。

ましてや、はっぴいえんど楽曲のカヴァーに関わることに
なろうとは、全く予想だにしませんでしたねー。

というわけで、竹内最新ワークは、今週15日にリリース
されたばかりのコンピレーション・アルバム、
1973年にリリースされた唯一の公式ベスト盤
『CITY』収録曲のカヴァー・ヴァージョンを集めたアルバムです。

これに収録された、おとぎ話による「12月の雨の日」
を、メンバーと共同プロデュースしております。

このアルバム、既発表曲と新録音とを織り交ぜた内容なんですが、
ヴァラエティに富んだ聴きごたえあるものに仕上がっています。
おとぎ話以外で僕の推し曲は、
既発表ではセンチメンタル・シティ・ロマンスの「花いちもんめ」。
新録音ではジャンク フジヤマの「さよなら通り3番地」かな。

おとぎ話の「12月の雨の日」は、彼ら特有のガレージ~
オルタナなバンド・サウンドが気持ちよいヴァージョン。
アルバム内でバンド・サウンドが意外と少なかったので、
通して聴くとより新鮮です。
有馬君のヴォーカルは、自分たちのオリジナル曲を
歌う時よりも抑制が効いていて、これまた新鮮。

あと何より、この曲でイントロがメジャー・キー展開っ
ていう解釈のカヴァーは初めてなんじゃなかろうか?と。
やっぱおとぎ話、面白いバンドです。

12月28日には、ゲストに曽我部恵一さんを迎えた
よろしかったら目撃してください。


さてさて、そして。
「12月の雨の日」といえば、僕は8年前にも同じ曲の
カヴァーに関わっています。
コレに収録されたスピッツのヴァージョン。

テツヤによるイントロ等のサイケなギターが
スピッツなりのオリジナリティだけど、
基本的なテンポ感やコード進行は原典に忠実な作り。

アルバム『三日月ロック』のセッションとほぼ同時期
にレコーディングしたんだよなー、とか思い出すと、
ちょっと懐かしいや。

それはさておき。

高校生の頃に大好きで聴きまくっていた音楽を、
ディレクターやプロデューサーとして関わる
アーティストと一緒にカヴァーすることが出来る
なんて、とっても幸せなことだなー、と思う。

しかも、この10年の間に2つのバンドで同一楽曲!

音楽ファン冥利に尽きますな、というお話でした。